医療関連感染に関する患者教育のための文書と口頭による情報の比較:横断研究
Written versus verbal information for patients’ education on healthcare-associated infections: a cross-sectional study
M. Bo*, V. Amprino, P. Dalmasso, P.A. Argentero, C.M. Zotti
*University of Turin, Italy
Journal of Hospital Infection (2015) 91, 358-361
イタリア・ピエモンテ州は 2008 年、医療関連感染(HCAI)に関する文書による情報をすべての入院患者に提供することを推奨した。文書による情報を受け取った患者はその他の患者よりも HCAI について熟知しているかどうかを評価するために、5 つの病院の入院患者 363 名を対象として面接を実施した。2 群間に統計学的有意差は認められなかった。HCAI の知識は女性のほうが有意に低く、学歴が高い患者および外科病棟に入院した患者のほうが有意に高いことが確認された。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
感染管理において患者参画は重要な要素である。本研究はイタリア・ピエモンテ州で 2008 年から行われている、患者に対する HCAI に関する文書による情報提供の有用性を検証したものであるが、結果的には文書による説明を受けた群と口頭による説明を受けた群で HCAI に関する知識・理解に有意差はなく、その一因として学歴が示唆された。日本は諸外国と比べて識字率が高いことが知られているが、患者への情報提供は本当に理解してもらえるように慎重に行い、そしてその有効性を評価することが重要である。
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