非侵襲的人工呼吸患者における院内肺炎:発生率、特性、および転帰
Nosocomial pneumonia in non-invasive ventilation patients: incidence, characteristics, and outcomes
Zuli Zhang*, Jun Duan
*First Affiliated Hospital of Chongqing Medical University, China
Journal of Hospital Infection (2015) 91, 153-157
背景
非侵襲的人工呼吸患者には、しばしば院内肺炎が発生する。
目的
非侵襲的人工呼吸患者の院内肺炎の発生率、特性、および転帰について報告すること。
方法
呼吸器集中治療室(ICU)で前向き観察研究を実施した。入室後に非侵襲的人工呼吸を 48 時間を超えて実施した患者を登録した。非侵襲的人工呼吸開始から 48 時間以上後に発生した肺炎を院内肺炎とした。
結果
2012 年1 月から 2014 年 8 月に非侵襲的人工呼吸患者 520 例を登録した。院内肺炎は 16 例(3.1%)に発生した。1,000 非侵襲的人工呼吸日あたりの院内肺炎発生率は 4.5 件であった。最も多くみられた病原体はアシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)(81%)であった。非侵襲的人工呼吸開始時の患者の年齢、性別、診断、疾患重症度、動脈血液ガス所見には、院内肺炎の有無による相違は認められなかった。院内肺炎患者は、院内肺炎のない患者と比較して非侵襲的人工呼吸実施期間が長く(8.4 日対 5.0 日、P < 0.01)、ICU 入室期間が長く(10.8 日対 7.9 日、P = 0.01)、入院日数が長く(25.9 日対 15.3 日、P = 0.04)、挿管率が高く(63%対 21%、P < 0.01)、院内死亡率が高かった(75%対 25%、P < 0.01)。院内肺炎は、挿管(オッズ比[OR]6.74、95%信頼区間[CI]2.24 ~ 20.28)および死亡(OR 7.65、95%CI 1.34 ~ 43.72)の独立リスク因子であった。
結論
この集団の非侵襲的人工呼吸患者の院内肺炎発生率は 3.1%であった。院内肺炎により、非侵襲的人工呼吸を必要とする期間、ICU 入室期間、および入院日数が延長し、挿管率および院内死亡率が上昇した。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
一般に、非侵襲的人工呼吸は侵襲性人工呼吸器使用に比べ、肺炎発生率が低いとされている。この論文でも、侵襲性人工呼吸器使用時の肺炎の発生率(9% ~ 27%)よりは低かったとしているが、それでもリスクであることが明らかになった。ただし、筆者らは、今調査中にアシネトバクターのアウトブレイクが発生していた可能性があり、それにより院内肺炎の発生率が高くなった可能性があるとしている。単施設での研究の評価の難しいところである。
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