米国退役軍人省の脊髄損傷センターの職員におけるインフルエンザワクチン接種率向上のための拒否申請書プログラムの実践:パイロット研究
Implementing a declination form programme to improve influenza vaccine uptake by staff in Department of Veterans Affairs spinal cord injury centres: a pilot study
J.N. Hill*, B.M. Smith, C.T. Evans, H. Anaya, B. Goldstein, S.L. LaVela
*Edward Hines Jr VA Hospital, IL, USA
Journal of Hospital Infection (2015) 91, 158-165
背景
脊髄に損傷または障害がある場合はインフルエンザ発症後の呼吸器およびインフルエンザ関連合併症のリスクが高い。これらの人は医療制度の利用頻度が高いことが多い。米国退役軍人省の脊髄損傷センターの医療従事者のワクチン接種率は、この数年間は約 50%である。脊髄損傷センターの医療従事者のワクチン接種率向上のための取り組みが必要である。拒否申請書プログラムとその他の戦略の併用により、医療従事者のインフルエンザワクチン接種率は有意に向上している。
目的
施設内チームや合意形成プロセスなどの内外のプロジェクト活動支援(ファシリテーション)を活用して、拒否申請書プログラムを米国退役軍人省の脊髄損傷センター 2 施設で試験的に実施すること、およびプログラム導入に影響を及ぼす因子を評価すること。
方法
施設の管理者とプログラム導入チーム員を交えてプログラム導入会議および合意形成プロセスを実施し、さらに導入後にプログラム導入チームの各員(7 名)に対して半構造化面接を行った。
結果
拒否申請書プログラムの受容は良好であり、利用は容易であった。管理者は拒否申請書プログラム導入のための重要な推進者(ファシリテーター)であった。障壁は早番/遅番勤務の医療従事者とのコミュニケーションが困難であることなどであった。申請書提出率は施設 1 が 100%、施設 2 では 48%であった。
結論
拒否申請書プログラム導入戦略を明らかにするための施設内チームおよび合意形成の活用は、中等度から高度のプログラム参加レベルを達成するには実施可能かつ有効である。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
本論文で実施された半構造化面接は、標準化された質問紙に沿ってインタビューを進めるが、回答により、さらに深く尋ねていくことができるインタビュー手法である。参加者 7 人に対する質問の回答を用いた質的研究であり、結果の判断は難しいが、勤務体系やコミュニケーションが障害となるというのは、理解できるところであった。
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