「新興超多剤耐性菌(eXDR)」交差感染の予防に関するフランスのレコメンデーション★

2015.07.31

French recommendations for the prevention of ‘emerging extensively drug-resistant bacteria’ (eXDR) cross-transmission


D. Lepelletier*, P. Berthelot, J.-C. Lucet, S. Fournier, V. Jarlier, B. Grandbastien and the National Working Group
*Service de Bactèriologie-Hygiène Hospitalière, CHU Nantes, France
Journal of Hospital Infection (2015) 90, 186-195
多剤耐性菌、超多剤耐性菌(XDR)の伝播を制御する方策として、抗菌薬処方の低減と、キャリア患者からの伝播予防という二重戦略が挙げられる。患者のケアを行うすべての医療従事者が標準予防策を徹底し、伝播性の感染症や多剤耐性菌を有する患者が散発的あるいは集団的にみられる状況下では、バリアプリコーション(隔離)を追加する。さらに新興超多剤耐性菌(eXDR;フランスではカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌やバンコマイシン耐性腸球菌を指す)の感染・保菌リスクを特に有する集団に対しては、予防策の追加が必要になってくる。全関係者が効果的にコミュニケーションを行い、eXDR のキャリアを早期に検出・特定し、確実に追跡できる能力が、eXDR の拡散を防ぐうえで重要な課題であるといえる。したがってフランスの High Committee for Public Health は、eXDR の交差感染予防に関する国内の既存のあらゆるレコメンデーションをアップデートし、標準化を図っており、本総説ではその概要を示した。なおこの作業は、2013 年までの科学的・実務的なデータ・知識に基づくものである。eXDR の保菌が判明した患者と、接触歴から保菌のリスクがあると考えられる患者に対しては、異なった予防策が推奨されている。病院レベルでは、リスク評価に感染制御チームの経験、eXDR が検出された種々のタイミング(入院時、入院中など)、および疫学的状況(散発例、多発、アウトブレイク、広範な流行)を組み入れるべきであり、逆にこのような評価によって、それぞれの臨床状況で行うべき制御策について情報を得ることができる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
Emerging extensively drug-resistant bacteria(eXDR)であるが、多剤耐性菌の中でさらにその耐性が拡大したものという意であるので、ここでは新興超多剤耐性菌と試訳した。フランスでは eXDR が重大な脅威であるという認識のもとに、国家をあげて知識・経験の総括とアップデートを行い、レコメンデーションを作り上げている。わが国全体の eXDR 対策を考えるうえでも、また医療機関での個々の事例に対する場合においても、このレコメンデーションの意義は大きく、非常に参考になるものと思われる。

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