空気伝播と予防策:事実と神話★

2015.04.29

Airborne transmission and precautions: facts and myth


W.H. Seto*
*University of Hong Kong, School of Public Health, Hong Kong, SAR, China
Journal of Hospital Infection (2015) 89, 225-228
空気伝播が生じるのは、エアロゾルと呼ばれる 5 μm 未満の感染性粒子が空中に排出された場合に限られる。このような伝播の予防には N95 マスクおよび陰圧隔離室が必要となるため、高額の費用がかかる。このレクチャーではまず、呼吸器ウイルス感染は空気伝播によるものであるかどうかについて、2008 年以前に発表された総説論文、外科用マスクおよび N95 マスクの比較試験、および関連する新しい実験的研究を参照し、考察を行った。しかし、インフルエンザに自然感染した被験者を用いた最近の実験的研究の大半では、曝露を受けたすべてのマネキンから否定的な結果が示された。また、これらの結果は予想外のものではないことを説明するために、人工呼吸器技師らによるモデル研究の要約を行った。次いで、世界保健機関(WHO)の依頼を受けて実施された、エアロゾルを発生させる手技に関するシステマティックレビューの要約を行った。入手可能なエビデンスからは、気管内挿管は単独またはその他の手技(心肺機能蘇生法や気管支鏡検査など)との組み合わせのいずれによっても、エアロゾルを発生させることによって伝播リスクの上昇と関連することが示された。
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監訳者コメント
レクチャーとして書かれた総説である。一番のメッセージは、「エアロゾルを発生させる介入は伝播リスクである」ことの再確認だと感じた。

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