医療施設の感染制御を支援する根本原因分析
Root cause analysis to support infection control in healthcare premises
A.-G. Venier*
*Bordeaux University Hospital, France
Journal of Hospital Infection (2015) 89, 331-334
感染制御チーム(ICT)の目的は医療関連感染症(HCAI)の予防である。ICT はサーベイランスと予防を実施し、安全とケアの質を促進し、リスクの評価と管理を行う。根本原因分析によってこれらの業務を支援することができるが、ICT はこれを広く活用してはいない。本稿では、ICT が自らの日常業務を強化するためには、どのように根本原因解析を用いることができるかについて論じる。根本原因分析のための種々のツールや方法が存在している。根本原因分析の主要な目的は、HCAI をもたらした因子を特定することであるが、根本原因分析をニアミスに対して用いることもできる。通常は、チームとしての取り組みと多職種による作業が必要とされる。この分野における公表されている文書および個人的な経験から、根本原因分析を正しく利用する ICT は、より効果的な予防策を実施し、業務や共同作業の改善にあたり、チームワークを強化し、HCAI リスクを低下させていることが示されている。根本原因分析は ICT の業務に価値を付与するとともに、問題を予測して先手を打つ院内文化の発展を支援するものであるため、ICT は根本原因分析を促進すべきである。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
ビジネスパーソンのための問題解決の手法を紹介した本は世にごまんとあるが、さて感染制御ではとなると、そこにフォーカスしたものは数少ない。Root cause analysis(根本原因解析)は、問題解決手法の中でも最もメジャーな手法の 1 つであり、その方法論について 1 度は勉強しておいて損はないだろう。
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