中央アジアにおけるユニバーサルプリコーション:この機会をとらえた複合的戦略の必要性

2015.03.30

Universal precautions in Central Asia: the need for multiple strategies in this window of opportunity


Z. Nugmanova*, N. Patel, A. Nurbakhyt, G.M. Akhmetova, N. Kov-tunenko, Z. Trumova, L-A. McNutt
*Kazakh National Medical University, Kazakhstan
Journal of Hospital Infection (2015) 89, 197-201
背景
普遍的予防策(ユニバーサルプリコーション)の導入は依然として世界的な関心事である。低・中所得国では、防護具の不足、臨床医の研修の欠如、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の流行の拡大などによって問題が悪化している。
目的
HIV のリスクとユニバーサルプリコーションの使用に関する医学生の認識について述べるとともに、血液・体液への近年の曝露状況を明らかにすること。
方法
2013 年に新たに導入された感染制御課程を受講したカザフスタンの医学生を対象として、横断研究を実施した。参加者は、血液・体液に対する予防策の使用と曝露状況に関する調査票に記入するとともに、HIV に対する姿勢について調査を受けた。二変量解析により、ユニバーサルプリコーションに対する姿勢および自己申告による行動・曝露に関連する因子を特定した。
結果
参加者 785 名のうち、半数(49.6%)は患者の診療時の HIV 感染に「多大な懸念」を表明し、40.5%の学生は、臨床医は HIV 感染を恐れて HIV 陽性患者の治療を拒否することがあると考えていた。予防策については、常に手袋を着用すると回答した学生は半数のみ(51.5%)であり、常にマスクや目の防護具を使用すると回答した生徒はさらに少なかった。10.1%の学生は、汚染した血液・体液に曝露されたことがあると回答した。
結論
本知見は、ユニバーサルプリコーションを改善し、感染症への恐れを少なくするための介入が緊要であることを強調するものである。透明性に関する文化的な障壁というものを考慮すると、さらに懸念されるのは、これらのデータは問題の真の大きさを過小評価している可能性があることである。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
すべての患者の体液・排泄物は感染源と考えるユニバーサルプリコーションは現在、より広い概念であるスタンダードプリコーション(標準予防策)として扱われている。しかし本論文では、中央アジアにおいては、このような普遍的予防策の実施に関する環境は非常に厳しいものであることを指摘している。物質的な側面ばかりでなく、文化的、意識的な課題も大きいことがうかがえる。

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