オーストラリアの National Hand Hygiene Initiative にかかわる費用の算出

2014.11.30

Costing the Australian National Hand Hygiene Initiative


K. Page*, A.G. Barnett, M. Campbell, D. Brain, E. Martin, N. Fulop, N. Graves
*Queensland University of Technology, Australia
Journal of Hospital Infection (2014) 88, 141-148
背景
オーストラリアの National Hand Hygiene Initiative(NHHI)は Hand Hygiene Australia(HHA)と協調して活動し、Australian Commission for Safety and Quality in Health Care が資金を拠出する大規模な患者安全プログラムである。医療サービスの一環としてこのプログラムを継続する費用対効果を知るためには、その運用にかかわる年間費用を明らかにする必要がある。
目的
NHHI の運用にかかわる医療サービスの年間費用を推計すること。初期費用は除外した。
方法
費用算出にあたっては医療サービス提供者の視点を採用し、すべての州および準州で当イニシアティブを実施した大規模公立病院50施設からデータを収集した。HHA の費用、各州の感染予防担当部門に対する費用、各急性期病院が負担する費用、および擦式アルコール製剤の追加費用のすべてを対象とした。
結果
プログラムの 1 年あたりの費用は 556 万豪ドル(576 万米ドル、363 万ポンド)であった。費用の過半は各病院の負担分であり(65%)、主として手指衛生遵守の監査および教育・研修に要する超過時間により発生したものであった。各感染制御専門家が NHHI に費やす時間は 1 週あたり平均 5 時間であり、その所属病院の 1 年あたりの運用費用は、2012 年は約 12 万豪ドル(124,000 米ドル、78,000 ポンド)であった。
結論
本プログラムの総費用を適切に推計することは、NHHI 実施の費用対効果を理解するための基礎となる。本報告は透明性の高い費用算出法を用いており、その結果は算出に際しての不確実性をも考慮したものとなっている。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
感染対策の最も基本的な部分である手指衛生の向上が、国家レベルの取り組みにおいてどの程度費用がかかり、そしてアウトカムを変えるのか―オーストラリアで解析した実例を示すのが本論文である。本邦での感染制御に関する施策を経済的な面から鑑みるうえで、非常に貴重な報告といえる。

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