USA300 に関連するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)新規変異株による健常新生児におけるアウトブレイク★
Outbreak among healthy newborns due to a new variant of USA300-related meticillin-resistant Staphylococcus aureus
H. Lee*, E.S. Kim, C. Choi, H. Seo, M. Shin, J.H. Bok, J.E. Cho, C.J. Kim, J.W. Shin, T.S. Kim, K.H. Song, K.U. Park, B.I. Kim, H.B. Kim
*Seoul National University Bundang Hospital, Republic of Korea
Journal of Hospital Infection (2014) 87, 145-151
背景
市中獲得型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(community-associated meticillin-resistant Staphylococcus aureus;CA-MRSA)の分離頻度は世界中で増加しており、小児および新生児の皮膚・軟部組織感染症の重要な原因となっている。
目的
新生児室での CA-MRSA の新規株によるアウトブレイクの制御の成功について記述すること。
方法
2012 年 7 月に発生したアウトブレイクに関する調査について、実施した制御策と併せて報告する。MRSA 分離株の分子タイピングも行った。
結果
CA-MRSA による皮膚・軟部組織感染症のアウトブレイクが新生児室で発生した。1 か月間に 6 例の新生児が感染した(感染率 8.5%、71 例中 6 例)。原因は CA-MRSA の新規変異株であり、その特性としては、USA-300 と関連しており、Panton-Valentine 型ロイコシジン(PVL)陽性、アルギニン異化可動性要素(ACME)陰性、シークエンス型(ST)8、ブドウ球菌カセット染色体 mec(SCCmec)IVa 型、agr I 型、および spa t008 型であった。満期産新生児のアウトブレイクは急速な伝播パターンを示し、すべての新生児に対するクロルヘキシジンによる清拭などの種々のアウトブレイク制御策の実施によって制御に成功した。
結論
本稿は、韓国での USA300 に関連する CA-MRSA クローンによる病院アウトブレイクの最初の報告である。病院環境で CA-MRSA 伝播の減少を図るためには、アウトブレイクの早期検知と感染制御策の強化が重要である。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
898床を有する韓国の病院の新生児室で発生した CA-MRSA のアウトブレイク(1 か月以内に 71 名の新生児のうち 6 名が皮膚・軟部組織感染症を発症した)に関する記述疫学研究である。どの病院でも起こり得る比較的シンプルなアウトブレイクに対して、菌株の解析と行った感染対策について丁寧に記述・考察しており、その内容はともかく、記述の方法や考察については目の前で起きる日常の感染対策について、それを研究報告の形に仕上げたいと考えている感染管理担当者には参考になるはずである。
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