エリザベトキンギア・メニンゴセプティカ(Elizabethkingia meningoseptica):医療関連感染症の重要な新興病原菌

2014.04.28

Elizabethkingia meningoseptica: an important emerging pathogen causing healthcare-associated infections


S.S. Jean*, W.S. Lee, F.L. Chen, T.Y. Ou, P.R. Hsueh
*Taipei Medical University, Taiwan
Journal of Hospital Infection (2014) 86, 244-249
エリザベトキンギア・メニンゴセプティカ(Elizabethkingia meningoseptica)は多剤耐性の表現型を有しており、多様な環境に適応できることから、重症管理部門の患者に対する大きな脅威になり得ると考えられている。本総説では、E. meningoseptica による敗血症の発生率、リスク因子、および臨床的特性とともに、E. meningoseptica 臨床分離株の抗菌薬感受性パターン、ならびに本菌による感染症の予防・制御に成功したことが報告されている方策について考察する。PubMed データベースで検索した英文文献のレビューを行った。E. meningoseptica 菌血症の発生率は、この 10 年間で上昇していた。E. meningoseptica 感染症のリスクが高い患者は、早産児、免疫不全患者、および重症管理室で抗菌薬投与を受けた患者などであった。E. meningoseptica 感染症に対して推奨される経験的抗菌薬の選択は、in vitro の感受性データに基づいてバンコマイシン、リファンピシン、新世代フルオロキノロン系、ピペラシリン・タゾバクタム、ミノサイクリン、およびおそらくはチゲサイクリンである。単剤療法が有効ではない感染症に対しては併用療法が用いられている。アウトブレイク調査により、生理食塩液、脂質溶液、クロルヘキシジングルコン酸塩溶液、および汚染されたシンクが感染源であることが示唆されている。E. meningoseptica アウトブレイクの終結に成功した方策は、標準的な感染制御策の強化のほか、先制攻撃的接触隔離策、系統的調査による細菌の感染源の特定、および器具や環境表面の徹底的な洗浄などである。E. meningoseptica 感染症は複雑な臨床的特性を呈し、発生率が上昇していることから、本菌によるアウトブレイクの可能性に対する意識を高める必要がある。このことによって、感染・保菌患者に対する積極的サーベイランス、および想定される感染源を特定するための調査を適時に開始することが可能となり、その結果、適切な感染制御策が実施されることになると考えられる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
エリザベトキンギア・メニンゴセプティカ(Elizabethkingia meningoseptica)は、グラム陰性桿菌であり、院内環境に生息しやすい特性を有している。アシネトバクターや緑膿菌などと同様にシンクなどの水回り、点滴へのコンタミネーションが問題となる菌である。菌種にかかわらず異常な集積の早期発見のためには、日頃より微生物検査室・感染症科、あるいは感染症医師と感染管理担当部署が密に活動することが、1 つの有用な手段と思われた。

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