新生児室における百日咳の院内感染★

2013.12.31

Nosocomial pertussis in neonatal units


H.C. Maltezou*, L. Ftika, M. Theodoridou
*Hellenic Center for Disease Control and Prevention, Greece
Journal of Hospital Infection (2013) 85, 243-248
百日咳は、ワクチン接種率が高いにもかかわらず、多くの国では依然として公衆衛生上の問題となっている。百日咳の院内アウトブレイクが新生児室で継続的に発生している。新生児集中治療室に入室する新生児および年少乳児は、未熟児、免疫応答が不十分、低年齢のため百日咳ワクチン接種の第 1 期初回シリーズが完了できないなどにより、易感染性の高リスク集団を形成している。本稿では新生児および乳児の院内百日咳について、医療従事者の役割に焦点を当ててレビューを行った。新生児室でのアウトブレイクは、しばしば医療従事者が発生源となり、易感染性年少乳児の重篤な疾患や致死的転帰と関連する。百日咳の疑い例または確定例として入院した患者、および同様の臨床症状を呈する医療従事者を、ワクチン接種状況にかかわらず早期に検出・隔離するために、百日咳を疑うための高度な指標が必要である。曝露後予防投与の指針とするために、接触者調査も不可欠である。いくつかの国では医療従事者への追加ワクチン接種に関する推奨が整備されているが、医療従事者に必要な百日咳に対する終生免疫は、現在のワクチンでは得ることができない。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
日本では近年、大学での百日咳集団発生が複数例報告されたが、乳幼児期の百日咳の予防接種の効果が減弱したことが一因とされている。米国でも青年・成人層での報告例が増加したことから、成人を対象とする Tdap(Tetanus, Diphteria, acellular Pertussis)ワクチンが 2005 年に承認され、11 歳以上を対象に接種が推奨されている。現時点では、日本では Tdap は承認されておらず、一部の医療施設では医療従事者を対象に小児用の DPT ワクチンを減量して接種しているのが現状である。

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