プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)感染リスクを有する術後手術部位の抗菌ドレッシングによる局所保護:in vitro 研究
Topical antimicrobial protection of postoperative surgical sites at risk of infection with Propionibacterium acnes: an in-vitro study
P.G. Bowler*, S. Welsby, A. Hogarth, V. Towers
*ConvaTec Global Development Centre, UK
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 232-237
背景
プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)は手術部位感染症、特に関節置換術や脊髄手術などの手術部位感染症の病原体としての認知度が高まっている。毒性が低く、増殖が遅いことから、感染症の臨床徴候が遷延する場合があり、診断はしばしば困難となる。したがって、術前の適切な皮膚処理と術後の抗菌ドレッシングによる創傷保護は、P. acnes による手術部位感染症を予防するために考慮すべき重要な事項である。
目的
銀含有ゲル化ファイバー創傷ドレッシングの P. acnes に対する抗菌効果を、様々な創傷状態をシミュレーションした厳格な in vitro モデルを用いて調べること。
方法
創傷滲出液のシミュレーションモデルを用いて、滲出液の多い創部を模倣した条件下で銀含有ドレッシングの殺菌能を経時的に定量した。細菌が定着した浅い創傷のシミュレーションモデルを用いて、ドレッシングの密着性が抗菌活性に及ぼす影響を調べた。さらに第 3 のモデルを作成し、シミュレーションした細菌定着創傷表面内に接種した細菌に対するドレッシングの効果を測定した。
結果
In vitro のデータから、銀含有創傷ドレッシングは P. acnes に対して殺菌作用を有すること、著しい滲出液のある状態をシミュレーションした条件下での殺菌作用は長期間(7日間)持続すること、およびドレッシングマトリクスが湿潤後にゲル化することにより、ドレッシングがシミュレーションした創傷の形状に密着するため、浅い創傷モデルでの抗菌活性が向上することが示された。
結論
これらの in vitro のデータから、術後ケアプロトコールの一部として銀含有ドレッシングを使用することは、長期にわたり、かつ患者を衰弱させる P. acnes による手術部位感染症のリスク最小化に有用であると考えられる。
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