髄膜腫患者の尿路感染症:リスク因子と転帰の解析
Urinary tract infections in meningioma patients: analysis of risk factors and outcomes
K. Nosova*, M. Nuño, D. Mukherjee, S.P. Lad, M. Boakye, K.L. Black, C.G. Patil
*Cedars-Sinai Medical Center, California, USA
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 132-139
背景
尿路感染症(UTI)は全院内感染の約 35%を占めており、75%が尿道カテーテルの使用に関連している。
目的
本研究の目的は、UTI のリスクに関連する術前因子を評価するとともに、患者の転帰および医療資源利用に対する UTI の影響を推測することである。
方法
米国の病院で 2002 年から 2007 年に開頭術を受けた成人髄膜腫患者を Nationwide Inpatient Sample(NIS)データベースから検索した。補正した標本抽出調査データの単変量解析および多変量解析により、周術期 UTI と転帰との関連を調べた。
結果
合計 46,344 例の患者を対象とした。女性が半数以上であり(70.0%)、男性よりも死亡率が低く(1.2%対 2.0%)、入院期間が短く(6.7 日対 7.5 日)、1 人あたり入院費が低く(76,682 米ドル対 87,220 米ドル)、UTI 発生率が高かった(6.3%対 3.9%)。多変量解析により UTI と関連していた因子は、女性(オッズ比[OR] 2.2、P < 0.0001)、高齢(OR 1.4、P < 0.001)、救急室経由での入院(OR 1.8、P < 0.0001)、全入院期間(OR 1.08、P < 0.0001)、併存疾患スコア(OR 1.04、P = 0.0147)、術後の体液・電解質異常(OR 1.96、P < 0.0001)、および肺合併症(OR 1.3、P < 0.0011)であった。UTI のために入院期間が 2.3 日延長し、1 人あたり入院費が 18,920 米ドル上昇した。
結論
周術期 UTI は特定の併存疾患および術後合併症と関連していた。また、UTI により有意に入院期間が延長し、入院費が増加していた。これらのデータから、脳神経外科患者の病院 UTI を減少させるために進められている全国的な取り組みを推進する必要があることが明らかとなった。
サマリー原文(英語)はこちら
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