WHO の手指衛生自己評価フレームワーク(Hand Hygiene Self-Assessment Framework)の有用性と信頼性の評価

2013.01.30

Testing the WHO Hand Hygiene Self-Assessment Framework for usability and reliability


A.J. Stewardson*, B. Allegranzi, T.V. Perneger, H. Attar, D. Pittet
*University of Geneva Hospitals and Faculty of Medicine, Switzerland
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 30-35
背景
世界保健機関(WHO)の手指衛生自己評価フレームワーク(Hand Hygiene Self-Assessment Framework;HHSAF)は、医療施設での手指衛生の資源、推進、および実施の状況分析のための構造化自己評価ツールとして考案された。
目的
HHSAF の有用性予備試験および信頼性試験を実施すること。
方法
WHO の集学的手指衛生改善戦略(Multimodal Hand Hygiene Improvement Strategy)の主要項目が反映されるように、専門家と協議のうえで HHSAF 案を起草した。42 施設に依頼して HHSAF 案の予備試験を実施し、フィードバック調査を完了した。信頼性試験では、各施設 2 名の使用者が個別に HHSAF を実施した。各指標の信頼性については、分散成分モデルを用いて各成分の小計スコアおよび合計スコアを推計して評価した。各評価後にツールを再検討し、必要に応じて修正を行った。
結果
案の起草にあたって 27 の指標を選択した。19 か国の 26 施設が予備試験を完了し(回答率 62%)、合計スコアは 35 から 480 の範囲(平均 262)であった。21 施設では HHSAF の実施に要する時間は 2 時間未満であった。ほとんどの施設は、HHSAF は「使いやすい」(23/26)、「施設の手指衛生の状態を明確化するうえで有用」(24/26)と回答した。16 か国の 41 施設が信頼性試験ですべての回答を寄せた。HHSAF の合計スコアおよび 5 つの各成分の小計の信頼性は 0.54 から 0.86 の範囲であった。7 つの指標は信頼性が低かったため、欠点と考えられる部分を検討し、修正を行った。
結論
上述のプロセスによって、医療施設での手指衛生促進に対する本ツールの有用性と信頼性が確認された。
サマリー原文(英語)はこちら

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