整形外科手術後の手術部位感染の経時的減少:サーベイランスが重要!
Decreasing time trend in SSI incidence for orthopaedic procedures: surveillance matters!
I. Skråmm*, J. Šaltytė Benth, G. Bukholm
*Akershus University Hospital, Norway
Journal of Hospital Infection (2012) 82, 243-247
背景
人工股関節・人工膝関節置換術後、早期に再置換が必要となる理由として最も多いものは感染症であり、再置換術施行率は増加している。真の感染率を評価するためには手術部位感染(SSI)サーベイランスデータが重要である。しかし、整形外科手術後の SSI 発生率の経時的変動に関する情報はほとんどない。
目的
整形外科手術後のサーベイランスにより、SSI 発生率に経時的変動がみられるかどうかを評価した。
方法
人工股関節・人工膝関節置換術後、および大腿骨転子部骨折・足関節骨折に対する骨接合術後の SSI 発生率を、1998 年 5 月から 2008 年 10 月に米国疾病対策センター(CDC)の基準に従って前向きに記録した。合計 4,177 件の手術を解析対象とし、このうち 65.8%が女性患者であった。線形回帰により SSI 発生率の変動を解析した。
結果
SSI 発生率は、開始年の 7%から最終年の 3%へ有意に減少した(相対減少率 57%)。年齢、米国麻酔科医学会(ASA)スコア、および緊急レベルも組み入れたロジスティック回帰モデルでは、手術時間が感染の唯一の有意な予測因子であった(P < 0.001)。
結論
整形外科手術後のサーベイランスにより、11 年間のサーベイランス期間中に SSI 発生率が有意に減少したことが示された。サーベイランスと SSI 発生率の因果関係を証明することは困難であるが、手術時間が感染の唯一の予測因子であったとしても、フィードバックを伴うサーベイランスが医療の質を左右するいくつかの手術手技に影響を与えた可能性がある。
サマリー原文(英語)はこちら
同カテゴリの記事
Experience with the use of palivizumab together with infection control measures to prevent respiratory syncytial virus outbreaks in neonatal intensive care units
Use of octenidine dihydrochloride in meticillin resistant Staphylococcus aureus decolonization regimens: a literature review
Failure to eradicate non-tuberculous mycobacteria upon disinfection of heaterecooler units: results of a microbiological investigation in northwestern Italy
S. Ditommaso*, M. Giacomuzzi, G. Memoli, C.M. Zotti
*University of Turin, Italy
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 585-593
Role of hand hygiene in healthcare-associated infection prevention
Danish experience of meticillin-resistant Staphylococcus aureus eradication with emphasis on nose-throat colonization and supplementary systemic antibiotic treatment