クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)027 型に汚染された病院隔離室の最終消毒のための 8 種類の消毒方法の臨床的有効性および費用対効果

2012.10.31

Clinical and cost effectiveness of eight disinfection methods for terminal disinfection of hospital isolation rooms contaminated with Clostridium difficile 027


L. Doan*, H. Forrest, A. Fakis, J. Craig, L. Claxton, M. Khare
*Derby Hospitals Foundation Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2012) 82, 114-121
背景
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)芽胞は環境内で数か月から数年にわたって生存することがあり、汚染された環境表面は C. difficile の重要な院内伝播源となる。
目的
C. difficile 芽胞で汚染された病室の最終清掃について、8 種類の C. difficile 環境消毒方法の臨床的有効性と費用対効果を比較すること。
方法
本研究は、新規消毒方法を評価するために 3 段階で実施された前向きランダム化試験である。まず各空き病室を同一の方法で消毒し、次いで C. difficile 芽胞で汚染させ、以下の 8 種類の消毒法のいずれかで消毒した。蒸気化過酸化水素(HPV)350 ~ 700 ppm(Bioquell Q10)、ドライオゾン 25 ppm(Meditrox)、1,000 ppm 塩素発生剤(Actichlor Plus)、マイクロファイバークロス(Vermop)の単独使用または塩素発生剤との併用、高温過熱乾燥蒸気噴霧による洗浄(Polti steam)と消毒液(HPMed)との併用、蒸気清浄(Osprey steam)、および過酢酸含浸ワイプ(Clinell)。C. difficile 選択寒天培地にスワブを接種し、各消毒法の実施前後にコロニー数を計測した。費用対効果の解析として、すべての方法を現行の 1,000 ppm 塩素発生剤(Actichlor Plus)による方法と比較した。
結果
汚染段階から消毒段階までのコロニー数減少の log10 値に基づいて、消毒法の順位づけを行った。統計学的に有意に優れた有効性を示した消毒法は、HPV(2.303)、1,000 ppm 塩素発生剤(2.223)、および過酢酸含浸ワイプ(2.134)の 3 種類であった。
結論
塩素発生剤を用いた安価な従来の消毒法の有効性は、最近の消毒法と同等であった。
サマリー原文(英語)はこちら

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