ノロウイルスアウトブレイク開始時および終息時の有症状患者のコホーティングのための病棟の区画化

2012.09.30

Compartmentalization of wards to cohort symptomatic patients at the beginning and end of norovirus outbreaks


C.F. Haill*, P. Newell, C. Ford, M. Whitley, J. Cox, M. Wallis, R. Best, P.J. Jenks
*Derriford Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2012) 82, 30-35
背景
ノロウイルスアウトブレイクは医療機関に重大な業務的・経済的影響を及ぼす可能性がある。
目的
ノロウイルスアウトブレイクの開始時および終息時に、有症状患者を個室または区画へ隔離することにより、病床閉鎖期間が短縮するかどうかを評価すること。
方法
当院では 2007 年、ノロウイルスの病院アウトブレイクによる業務的影響を小さくするための新規戦略を導入した。すなわち、病棟全体を閉鎖することなくアウトブレイクを封じ込めるため、アウトブレイク初期に有症状患者を個室または区画にコホーティングした。また、病棟閉鎖後に退院により病床が使用可能になった場合は、同一病棟内の有症状患者区域の早期清掃と開放を促進するため、患者を個室またはドア付きの空き区画に移動した。新規戦略の導入前後の 2 期間のアウトブレイクのデータを比較し、これらの変更の影響を評価した。
結果
2007 年 6月以前は、アウトブレイクの 90%を病棟全体の閉鎖により管理していたが、2007 年 6 月以降はわずか 54%であった。閉鎖期間は、区画化のほうが病棟全体の閉鎖と比較して 2007 年 6 月以前(3.5 日対 6 日、P = 0.0327)および以降(3 日対 5 日、P < 0.0001)のいずれも有意に短かった。全アウトブレイクを対象とした評価では、閉鎖期間は戦略の変更後に有意に短縮した(6 日対 5 日、P = 0.007)。
結論
ノロウイルスアウトブレイクの開始時および終了時に、病棟を区画化して有症状患者をコホーティングすることにより、アウトブレイク管理の効率が改善し業務の途絶が減少した。
サマリー原文(英語)はこちら

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