パンデミック患者の隔離急増に対応するための迅速な換気戦略
Fast-track ventilation strategy to cater for pandemic patient isolation surges
P.L. Yuen*, R. Yam, R. Yung, K.L. Choy
*City University of Hong Kong, Hong Kong, China
Journal of Hospital Infection (2012) 81, 246-250
背景
2003 年の重症急性呼吸器症候群(SARS)パンデミックの際に、病院の隔離施設が不足することが判明した。しかし、将来的なパンデミックの性質や規模を正確に予測することはできないため、建設される隔離施設が適正であるかどうかの判定は困難である。既存の一般病棟を改修する迅速かつ費用対効果の高い換気戦略は、患者の急増への病院の対応を支援する可能性がある。
目的
本稿では、一般病棟内に陰圧気流を創出するための簡易な窓用換気扇の設置など、SARS アウトブレイク時に採用された迅速・仮設の隔離方法の有効性を評価した。
方法
この方法が米国疾病対策センター(CDC)による隔離病棟の適正建設要件に合致するかどうかを、数値流体力学(CFD)を用いたシミュレーションにより評価した。
結果
CFD シミュレーションの結果、この仮設による方法は隔離室の換気基準に合致することが判明した。SARS アウトブレイク時にこの方法を採用した病院で二次感染が報告されなかったことから、この方法が有効であったことは確実である。
結論
急増した患者を収容する隔離施設が不足した場合には、上述の換気装置を既存の一般病棟に迅速かつ広範に設置することが可能であると考えられる。
サマリー原文(英語)はこちら
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