大気圧低温プラズマジェットおよび誘電体バリア放電プラズマによる皮膚の汚染除去

2012.07.31

Skin decontamination by low-temperature atmospheric pressure plasma jet and dielectric barrier discharge plasma


G. Daeschlein*, S. Scholz, R. Ahmed, T. von Woedtke, H. Haase, M. Niggemeier, E. Kindel, R. Brandenburg, K.-D. Weltmann, M. Juenger
*Ernst Moritz Arndt University, Germany
Journal of Hospital Infection (2012) 81, 177-183
背景
この数年間で、プラズマ医療は医学の重要な分野の 1 つになっている。低温プラズマには抗炎症作用、抗菌作用、および抗腫瘍作用があることが示されている。
目的
2 種類の低温プラズマ発生装置(大気圧低温プラズマジェット[atmospheric pressure plasma jet;APPJ]、誘電体バリア放電プラズマ[dielectric barrier discharge plasma;DBD])のヒトの指先に対する in vivo の汚染除去能を検証すること。
方法
APPJ および DBD によりスポット処置を実施し、その 3、15、30、60、90、120、150、180、210、および 240 秒後の生理的細菌叢および人工的な汚染細菌叢(表皮ブドウ球菌[Staphylococcus epidermidis]とミクロコッカス・ルテウス[Micrococcus luteus])の対数減少係数を算出した。細菌量は計数により決定した。忍容性(錯感覚、疼痛、熱感)を定量的評価尺度により測定した。
結果
両プラズマ装置ともに、生理的細菌叢および人工的汚染細菌叢が有意に減少した。生理的細菌叢の最大の対数減少係数は、DBD では 210 秒後の 1.3、APPJ では 60 秒後の 0.8 であった。人工的汚染細菌叢の最大の対数減少係数は、DBD では 90 秒後の 1.7、APPJ では 120 秒後の 1.4 であった。両装置による処置の忍容性は良好であった。
結論
APPJ と DBD はいずれも、健常ボランティアの指先からの生理的細菌叢および人工的汚染細菌叢の除去に極めて有効であった。プラズマ抵抗性の分離株は認められなかった。低温プラズマにより皮膚消毒が可能であると考えられた。手指消毒に使用するためには、技術的にプラズマ照射時間を大幅に短縮する必要がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
消毒のことばかりが論ぜられているが、皮膚へのダメージはどうなのであろうか?

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