カテーテルの使用目的、挿入した静脈、および挿入前の ICU 入室期間はカテーテル関連血流感染リスクに影響を及ぼす

2012.03.31

Catheter application, insertion vein and length of ICU stay prior to insertion affect the risk of catheter-related bloodstream infection


T.I.I. van der Kooi*, J.C. Wille, B.H.B. van Benthem
*National Institute for Public Health and the Environment, The Netherlands
Journal of Hospital Infection (2012) 80, 238-244
背景
オランダの院内感染サーベイランスネットワークである PREZIES は、カテーテル関連血流感染(CR-BSI)のサーベイランス計画により感染率および関連するリスク因子に関するデータを収集している。
目的
CR-BSI のリスク因子を評価すること。
方法
各病院が集中治療室(ICU)または病院全体のデータを収集した。48 時間以上留置したすべての短期型中心静脈カテーテル(CVC)と Swan-Ganz カテーテルを調査対象とし、挿入時に菌血症が認められた症例は除外した。感染、抜去、または死亡まで最長 28 日間、CVC の監視を行った。CVC 3,750 件、29,003 CVC 日のデータを収集した。
結果
調査した CVC の 1.6%(95%信頼区間[CI]1.2% ~ 2.0%)に CR-BSI が発生し、1,000 CVC 日あたりでは 2.0 件(95%CI 1.6 ~ 2.6)の発生であった。多変量解析により、CVC 挿入前の ICU 入室期間、頸静脈または大腿静脈への挿入、および完全非経口栄養法のための CVC 使用により CR-BSI リスクが上昇し、抗菌薬投与のための CVC 使用により CR-BSI リスクが低下することが示された。
結論
これらのリスクに留意することにより、CR-BSI 発生率の低下を図ること可能であると考えられる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
オランダにおける感染サーベイランスの CVC 関連血流感染の集計報告である。リスク因子に関して NHSN との大きな違いはない。日本でも日本環境感染学会や国公立大学附属病院感染対策協議会が CVC 関連血流感染サーベイランスを実施している。

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