アイルランドの医療環境における血液媒介ウイルス伝播:1997 年から 2011 年に実施された患者へのリコールの評価
Blood-borne virus transmission in healthcare settings in Ireland: review of patient notification exercises 1997-2011
S. Donohue*, L. Thornton, K. Kelleher
*Health Protection Surveillance Centre, Ireland
Journal of Hospital Infection (2012) 80, 265-268
医療環境で血液媒介ウイルスに曝露した可能性を調査するためにアイルランドで 1997 年から 2011 年に実施された患者へのリコール※(PNE)について評価を実施し、将来的な方針と実践に役立てることとした。すべての PNE を特定するため、医療施設の情報提供者と考えられる職員に質問票を送付した。調査責任者が構造化面接を行い、入手した文献の精査を行った。血液媒介ウイルスを対象とした PNE が 10 件特定された。2,000 例もの患者の検査が行われていたにもかかわらず、伝播が認められたのは 1 症例のみであった。しかし、PNE 実施以前に各施設で行われた調査により、6 症例の伝播が特定されていた。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
1度施設内で処置による血液媒介感染症が医療行為で発生した場合、リコールの対象者は数万人に及ぶことがある。いざというときの体制の構築が必要である。
監訳者注:
※患者へのリコール(patient notification exercise):患者に対して特定の病原体による感染リスクに曝露した可能性があることを通知し、検査を勧めて感染の有無を検出すること。
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