手術室の微生物汚染の評価のためのエアサンプリング法:整形外科部門での比較研究の結果★

2012.02.28

Air sampling methods to evaluate microbial contamination in operating theatres: results of a comparative study in an orthopaedics department


C. Napoli*, S. Tafuri, L. Montenegro, M. Cassano, A. Notarnicola, S. Lattarulo, M.T. Montagna, B. Moretti
*University of Bari ‘Aldo Moro’, Italy
Journal of Hospital Infection (2012) 80, 128-132
目的
手術室における空気中の微生物汚染レベルを、積極的サンプル採取法(表面エアシステム[SAS])と受動的サンプル採取法(空気の微生物汚染指標[IMA]、および創部近傍に配置したニトロセルロース膜)により評価すること。
方法
南イタリアの大学病院の整形外科部門の手術室で、2010 年 1 月から 2011 年 1 月にサンプル採取を実施した。
結果
手術中に記録された平均細菌量は、IMA 法 2,232.9 コロニー形成単位(cfu)/m2/時、SAS 法 123.2 cfu/m3、ニトロセルロース膜法 2,768.2 cfu/m2/時であった。3 法の結果の間には相関が認められた。60 件の手術のうち、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が検出された件数はニトロセルロース膜法 12 件(20%)、SAS 法 5 件(8.3%)、IMA 法 3 件(5%)であった。
結論
創部近傍に配置したニトロセルロース膜を使用する方法は、空気中の微生物汚染の測定に有効である。この方法は IMA 法よりも感度が高く、また積極的監視法のような較正バイアスを受けにくい。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
手術室における 3 種類のエアサンプリング方法を比較した論文である。測定方法が異なるため直接の比較はできないものの、いずれの方法も環境中の微生物レベルとの相関性が確認された。それぞれのサンプリング方法や設置場所について考える際に参考になる論文と思われる。

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