メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)による人工呼吸器関連肺炎:大規模総合病院におけるリスク因子および転帰
Ventilator-associated pneumonia due to meticillin-resistant Staphylococcus aureus: risk factors and outcome in a large general hospital
E. Bouza*, M. Giannella, E. Bunsow, M.V. Torres, M.J. Pérez Granda, P. Martín-Rabadán, P. Muñoz on behalf of The Gregorio Marañón Task Force for Pneumonia (GANG)
*Hospital General Universitario Gregorio Marañón, Spain
Journal of Hospital Infection (2012) 80, 150-155
背景
任意抽出された人工呼吸器関連肺炎(VAP)患者におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)のリスク因子および転帰への影響に関するデータは限られている。
目的
大規模教育施設における MRSA による VAP の素因および転帰を評価すること。
方法
当院の成人集中治療室 3 室で 4 年間にわたる前向き研究を実施した。MRSA による VAP 患者を他の細菌による VAP 患者と比較した。
結果
合計 474 件の細菌性 VAP エピソードを収集した。MRSA による VAP(111 件)と他の細菌による VAP(363 件)との比較で有意差が認められた因子は、年齢中央値(68 歳対 62 歳)、APACHE II スコア中央値(12 対 11)、脳神経外科手術(5.4%対 13.8%)、腹部手術(35%対 19%)、今回の入院での VAP 発症前の抗菌薬投与歴(82.9%対 64.5%)とイミペネム投与歴(24%対 11%)、および胸水(12%対 5%)であった。交絡因子で補正した多変量解析による MRSA の独立リスク因子は、APACHE II スコア高値、抗菌薬投与歴、および胸水であった。治療および転帰に関して MRSA による VAP と他の細菌による VAP との比較で差が認められた因子は、不適切な経験的治療(70%対 53%)、1 エピソードあたりの抗菌薬の費用の中央値(974 ユーロ対 726 ユーロ)、および院内死亡率(60%対 47%)であった。しかし多変量解析からは、MRSA は死亡の独立リスク因子であることは示されなかった。
結論
MRSA は、VAP の原因として高頻度にみられる。基礎疾患の重症度が高い場合は、VAP 患者の死亡率が高くなる。
サマリー原文(英語)はこちら
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