リトアニアにおける医療関連感染症有病率

2012.01.31

Prevalence of healthcare-associated infections in Lithuania


R. Valinteliene*, G. Gailiene, A. Berzanskyte
*Institute of Hygiene, Lithuania
Journal of Hospital Infection (2012) 80, 25-30
目的
リトアニアの急性期病院の半数で 2003 年、2005 年、および 2007 年に実施された、医療関連感染症(HCAI)の点有病率調査を比較すること。
結果
HCAI 有病率は 2003 年から 2007 年にかけてわずかに低下した(4.3%から 3.4%へ)。集中治療室、外科病棟、および小児病棟では調査ごとに有病率が低下したが、リハビリテーション・介護病棟では上昇した。下気道感染症の割合は増加したが、(26.3%から 32.3%へ)尿路感染症(11.6%から 6.7%へ)と血流感染症(8.9%から 2.3%へ)の割合は減少した。微生物学的検査を受けた HCAI 症例の割合は 2003 年から 2007 年にかけて減少した(56.0%から 41.0%へ、P < 0.02)。HCAI 症例の起因菌としては、グラム陽性菌の割合が高かった。患者の約 3 分の 1 は、ペニシリン系、広域スペクトルペニシリン系、第一および第二世代セファロスポリン系、およびアミノグリコシド系などの抗菌薬療法を受けていた(2003 年 31.1%、2005 年 29.3%、2007 年 32.1%)。
結論
反復的調査により HCAI の有病率、リスク因子、および抗菌薬使用の経時的変化が明らかとなった。これらの調査により、リトアニアでは感染制御が優先的事項となり、全国的な HCAI サーベイランスシステムが変更された。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

感染サーベイランスにおける耐性菌の検出状況は国ごとに異なるため、それぞれの国でのローカルなデータを参考にする必要がある。また、特徴的な抗菌薬消費により耐性傾向が変化する場合も多く、他の国での状況は将来的な予測に役立つ。

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