真皮縫合と皮下ドレナージとの併用による皮膚閉鎖は縦切開による手術を受けた肥満女性の創合併症を減少させる
A combination of subcuticular sutures and a drain for skin closure reduces wound complications in obese women undergoing surgery using vertical incisions
Y. Inotsume-Kojima*, T. Uchida, M. Abe, T. Doi, N. Kanayama
*Hamamatsu University School of Medicine, Japan
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 162-165
縦切開による手術を受けた女性では、肥満は手術部位感染症または創合併症のリスク因子である。皮下ドレナージによる合併症発生率減少効果についての報告はいくつかあるが、肥満患者の手術に対する使用については一致した見解が得られていない。スコットランド医療関連感染症サーベイランスプログラム(Scottish Surveillance of Healthcare Associated Infection Programme)は 2006 年、切開の閉鎖にはステープルではなく真皮縫合を使用することによって手術部位感染症のリスクが有意に低下することを示している。2008 年 1 月以前(第 1 群、40 例)は当病院の肥満患者の一部に、皮膚閉鎖にステープルのみを使用した産婦人科手術後に創合併症が認められた。2008 年 1 月(第 2 群、31 例)に肥満患者(体格指数[BMI]> 28 kg/m2)の皮膚閉鎖方法を変更し、現在は 4 つのチャンネル付きチューブを使用する皮下ドレナージ、およびポリジオキサノン 4-0 縫合糸を用いた結節縫合・埋没縫合による真皮縫合を採用している。本研究の目的は、この介入方法が肥満女性の皮膚閉鎖にもたらす効果を評価することである。患者の全般的特性(年齢、体重、および BMI)は両群で同等であった。第 2 群には創合併症は認められなかった。第 1 群では創離開が 5 例(12.5%)、漿液腫が 1 例(2.5%)に認められた。第 2 群の創合併症発生率は第 1 群よりも有意に低かった(P = 0.0319)。これらの結果から、皮膚閉鎖に新規の素材と技術を用いることにより、肥満女性の創合併症を減少させることが可能であると考えられる。
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