汚染された内視鏡内のバイオフィルムの消毒・乾燥手順のシミュレーション★

2010.12.31
☆

Mimicking disinfection and drying of biofilms in contaminated endoscopes


J. Kovaleva*, J.E. Degener, H.C. van der Mei
*University of Groningen, The Netherlands
Journal of Hospital Infection (2010) 76,345-350
汚染された軟性内視鏡から分離される菌種であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、およびステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)のバイオフィルム中の1菌種または2菌種に対する過酢酸系(PAA)消毒薬の効果を、追加手順として乾燥を行った場合と行わない場合で検討した。細胞培養用の滅菌ポリスチレン製96穴マイクロタイタープレートにバイオフィルムを形成させ、テトラゾリウム塩(MTT)還元法、および寒天平板を用いたバイオフィルムの連続10倍希釈法による酵母・細菌のコロニー形成数の測定により、バイオフィルムを定量化した。内視鏡チャンネル内のバイオフィルム形成、および軟性内視鏡の再処理に用いる消毒・乾燥手順をシミュレートするため、in vitroバイオフィルムモデルを使用した。過酢酸系消毒薬は、浮遊およびバイオフィルム中の細菌・酵母に対して消毒処理の直後には有効であったが、乾燥手順を省略した場合はいずれのバイオフィルムも再増殖を示した。乾燥後のマイクロタイタープレートでは、1菌種または2菌種のいずれのバイオフィルムにおいても再増殖は認められなかった。正しい乾燥手順を実行しないと、日常的な洗浄手順では内視鏡チャンネルからバイオフィルムを確実に除去することはできない。このことは、内視鏡再処理過程での汚染除去失敗の原因である可能性がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
過酢酸系消毒薬の効果を最大限に引き出すためには、処理後の乾燥が必須であることを示した論文である。内視鏡管理業務の適正化に関する示唆に富む結果は非常に興味深い。しかし、乾燥条件が50℃、2時間となっており、やや非現実的な感じがしなくもない。

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