台湾の教育病院における医療関連感染症の1981年から2007年の長期的傾向
Secular trends of healthcare-associated infections at a teaching hospital in Taiwan, 1981-2007
Y.-C. Chuang*, Y.-C. Chen, S.-C. Chang, C.-C. Sun, Y.-Y. Chang, M.-L. Chen, L.-Y. Hsu, J.-T. Wang
*National Taiwan University Hospital, Taiwan
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 143-149
National Taiwan University Hospitalは1981年、医療関連感染症のサーベイランスと制御に関する国際的なガイドラインを導入した。本稿では、過去27年間の当病院における医療関連感染症の感染部位、病因、および制御対策に関する長期的傾向について述べる。感染制御看護師が、標準化した症例記録用紙を用いて臨床的および微生物学的データを収集した。必要に応じて特定の制御プログラムを適用または強化した。Poisson回帰分析または負の二項回帰分析を用いて、医療関連感染症発生率の時間的傾向を定量化した。1年間の退院数はCharlson併存疾患指数の増加と並行して25,074例から91,234例に増加した。医療関連感染症の積極的サーベイランスおよび定期的なフィードバックに伴い、手術部位感染症は1981年から2007年にかけて著しく減少した(手術100件あたり2.5件対0.5件、P < 0.0001)。一方、血流感染症(BSI)は4.8倍に増加した(100退院あたり0.39件対1.88件、P < 0.0001)。1981年から2007年の間の医療関連感染症発生数の1年あたりの平均増加率は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)11.4%、超多剤耐性アシネトバクター・バウマニー(extensively drug-resistant Acinetobacter baumannii;XDRAB)75.4%、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)7.5%であった(いずれもP < 0.0001)。2004年に感染予防・制御プログラムを、プロジェクトレベルでの1年ごとの集中的な制御プログラムを実施するように改定し、医療関連感染症、BSI、MRSA、およびXDRABの発生率の減少が認められた。今回の長期的研究は、医療関連感染症サーベイランスと集中的な制御プログラムを併用する必要があることを示している。この目標を達成するためには、医療施設は適切な人的資源を投入しなければならない。
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