高齢者のナーシングホームにおけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)を対象とした感染制御教育・指導介入プログラムのクラスター無作為化対照試験

2010.09.30

Cluster randomised controlled trial of an infection control education and training intervention programme focusing on meticillin-resistant Staphylococcus aureus in nursing homes for older people


N.S. Baldwin*, D.F. Gilpin, M.M. Tunney, M.P. Kearney, L. Crymble, C. Cardwell, C.M. Hughes
*Queen’s University Belfast, UK
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 36-41
このクラスター無作為化対照試験の目的は、感染制御教育・指導介入プログラムがナーシングホームにおけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)保菌率に及ぼす影響を調べることである。ナーシングホームを介入群(感染制御教育・指導プログラムを実施、16施設)、または対照群(従来の実践を継続、16施設)に無作為に割り付けた。介入群の施設職員には、良好な感染制御の実践の原則と遂行について教育・指導を行った(0、3、および6か月目)。全施設で監査を行い、良好な実践の遵守を評価した(0、3、6、および12か月目)。監査スコアおよび改善可能な実践を記載した報告書を、介入群のナーシングホームのマネージャーにフィードバックした。0、3、6、および12か月目に、同意を得た全入居者および職員の鼻腔スワブを採取した。主要評価項目は入居者および職員のMRSA保菌率、副次的評価項目は感染制御監査スコアの変化とした。全体で入居者793名および職員338名をベースライン時に登録した。試験実施期間中に、入居者および職員のMRSA保菌率に変化はみられなかった。12か月時点の介入群入居者のクラスタリング補正後のMRSA保菌相対リスクは、対照群との比較で0.99(95%信頼区間0.69~1.42)であった。12か月時点の感染制御監査スコアの平均値は、介入群(82%)のほうが対照群(64%)より有意に高かった(P < 0.0001)。高齢者のナーシングホームでは、MRSAの減少に寄与し得る別のアプローチを考慮すべきである。
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