病院アウトブレイクの制御には病院管理部門、微生物検査室、および感染制御部門の協調が必要である★★

2010.09.30

Hospital outbreak control requires joint efforts from hospital management, microbiology and infection control


U. Ransjo*, B. Lytsy, A. Melhus, O. Aspevall, C. Artinger, B.-M. Eriksson, G. Gunther, A. Hambraeus
*Uppsala University Hospital, Sweden
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 26-31
2005年5月から2007年8月に、スウェーデンの1,000床の教育病院の30を超える病棟で、主に高齢の患者247例に基質特異性拡張型β-ラクタマーゼCTX-M15産生多剤耐性肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)アウトブレイクが発生した。病棟および外来での症例間の接触の可能性について病院管理記録をマニュアル検索した結果、伝播が複雑に連鎖していることが判明した。糞便スクリーニングからは、臨床検体の培養検査の2倍の症例が特定された。伝播は患者間の直接的および間接的接触により発生し、患者の過密状態が伝播を促進していた。介入として、支出権限を有する管理部門の設置、病床数の増加、手指のアルコール消毒および病院の服装規定の遵守向上、患者の手指衛生の改善、および清掃の改善などを実施した。介入の推定費用は3,000,000ユーロであった。特別な感染制御方針は必要ではなかったが、現行方針の徹底と、遵守改善のための教育的取り組みの実施には資源が必要であった。
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監訳者コメント
我が国で発生している現在の課題を正面からとらえている論文である。

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