ナイロン製フロックドスワブを用いた環境表面からのサンプル採取のための新しい技術★

2010.08.31

New technique to take samples from environmental surfaces using flocked nylon swabs


G. Hedin*, J. Rynback, B. Lore
*Falun Hospital, Sweden
Journal of Hospital Infection (2010) 75, 314-317
感染・保菌患者周辺の病院環境表面は、病原性を有すると考えられる微生物に汚染されていることが多い。しかし現時点では、定量的培養のための表面からのサンプル採取方法は標準化されていない。通常は接触培地またはスワブを用いるが、これらの方法は異なる結果をもたらす可能性がある。綿やレーヨンなどの、従来のスワブ法による回収率は低い。フロックドナイロンを使用した新しいタイプのスワブによる回収率は、レーヨンスワブと比較して3倍にまで増加する可能性がある。本研究では、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)およびエンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)の標準株をベッドサイドテーブルに接種し、1時間後の接種菌液が乾燥した状態でサンプルを採取した。また、同一表面からの2回連続サンプル採取も行い、各サンプルに対して連続した2本のナイロンスワブを用いる新しいサンプリング技術について検証した。サンプル採取効率、接種菌回収率、および反復実験で得られた培養結果のばらつきについて述べる。サンプル採取に2本のナイロン製フロックドスワブを連続して用いることにより、採取効率と接種菌回収率が上昇することが示された。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
多剤耐性グラム陰性桿菌においては特に、患者療養環境の汚染が患者間の耐性菌伝播に寄与すると考えられている。したがって、そのような伝播の集団発生における環境の汚染を調査するための環境からのサンプル調査は重要な要素である。環境サンプルには検出感度の問題があるが、本論文はその感度をできるだけ上昇させようという新たな試みであり、実用化が期待される。

同カテゴリの記事

2025.01.17
Barriers and facilitators for using administrative data for surveillance purpose: a narrative overview

V. Boulanger*, A. MacLaurin, C. Quach
*University of Montreal, Canada

Journal of Hospital Infection (2025) 155, 25-36

2014.05.31

Blood culture contaminants

2011.12.31

Perioperative variables associated with surgical site infection in breast cancer surgery

2018.09.25

Proton pump inhibitor use as a risk factor for Enterobacteriaceal infection: a case-control study

2021.03.31

A midwifery-led prevalence programme for caesarean section surgical site infections

 

E. Baxter*

*Nottingham University Hospitals NHS Trust, UK

 

Journal of Hospital Infection (2021) 107, 78-81