診療時の服装の変更により患者・医師関係を損なわずに交差感染の可能性を減少させることができるか?
Can changes in clinical attire reduce likelihood of cross-infection without jeopardising the doctor‐patient relationship?
C.L. Shelton*, C. Raistrick, K. Warburton, K.H. Siddiqui
*Tameside General Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2010) 74, 22-29
調査により医療従事者の衣服は病原体に汚染される可能性があることが示されている。本研究の目的は、交差感染の可能性を減少させるために病院勤務医が服装を変更しても患者・医師関係を損ねることはないかどうかの判定である。男性55例および女性45例の入院患者(平均年齢52.89歳)を無作為に選択し、反復測定実験研究を実施した。参加者に対して医療従事者の服装の写真を複数示し、各服装の適切度を5点リッカート尺度で評価させた。次に交差感染における服装の重要性に関する標準化した説明文書を読ませ、再度評価を行った。説明文書を読む前は大半の服装に有意差は認めらなかったが、カジュアルな服装(男女いずれも)および半袖上衣(女性)の適切度の評価は有意に低かった。説明文書を読んだ後に最も適切と評価された服装は、手術着および半袖の上衣・シャツであった(P < 0.0001)。男性の服装では、半袖シャツと手術着との評価の間に有意差はなかった。女性の服装で好ましいとされたのは手術着であった(P = 0.0005)。参加者は医療従事者の服装に対して有意な好みを示さなかったが、カジュアルな服装のみには嫌悪感を表した。しかし、交差感染における服装の重要性に関する情報を与えられると好みが変化し、感染リスクを最小限に抑え得る服装を好むようになった。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
外観よりも、実際に身につける着衣の清潔が重要である。手術着を着たまま帰宅する医療従事者も米国ではあり、外観にとらわれてばかりいてはいけない。
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