血管内留置カテーテル感染症★★

2009.12.31
☆

Intravascular catheter infections


J. Edgeworth*
*Guy’s and St Thomas’ Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2009) 73, 323-330
カテーテル関連血流感染症(CRBSI)は、かつては医原性感染症としての認識は高いものではなかったが、今日では重要な予防戦略の中核に位置づけられている。入院患者の感染巣の特定は困難であるためCRBSIの明確な臨床的定義は確立していないが、サーベイランス上の定義は、院内CRBSI発生率のモニタリングと比較、および感染制御のためのリソースの有効利用に有用であることが判明している。カテーテルの抜去を必要としない新しい診断技術が開発されており、これは状態の悪い急性期の入院患者よりも、単一のトンネルカテーテルを長期間留置している安定した外来患者の感染の評価に適切であると考えられる。院内CRBSI発生率を減少させるうえで有用な基本的な感染予防策の適用、サーベイランス、および監査を促進するためのエビデンスは極めて多数存在する。国際的なガイドラインではカテーテル部位に予防的な抗菌薬を用いる戦略※が推奨されているが、長期使用により耐性菌の選択が生じるという当然の懸念が払拭できない。この懸念については、これまでの研究では十分に検討されていない。経済分析においては、有益性を適切に評価するためにCRBSIの臨床的影響に関するデータが必要であるが、併存疾患の寄与の評価が困難であることからこのようなデータが少ないため、得られた成績は相反する内容となっている。全体として、病院においては予防的抗菌薬投与という戦略を追加的に導入することが有効であるかどうかを評価する前に、まず、CRBSIに対する基本的な感染予防策の強化のための持続的プログラムの有効性を評価することが妥当であろう。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
カテーテル関連感染症についての良いレビューである。包括的に知識を得るのに役に立つ講演記録である。
監訳者注:
※抗菌薬を含有した樹脂を用いたカテーテルなど。

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