感染制御のためのスクリーニングおよび隔離★

2009.12.31

Screening and isolation for infection control


E. Tacconelli*
*Universita Cattolica Sacro Cuore, Italy
Journal of Hospital Infection (2009) 73, 371-377
医療関連感染の有病率低下を目的とした制御対策には、積極的監視培養、疫学的に重要な病原体を保有している患者の接触隔離、およびハイリスク患者の暫定的隔離などがある。しかし、これらの対策の有効性には疑問の余地がある。隔離方針に関するシステマティックレビューからは、隔離策を含む集中的な協調介入によってメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)院内感染が大幅に減少することが示されている。介入のモニタリングは必須となる。サーベイランスデータの適切な公開とフィードバックを実施すべきである。国際的なガイドラインでは、徹底的な積極的監視培養は集中治療室のみで実施すべきであることが提案されている。しかし、多くの国では入院時のスクリーニングを義務づける法律を導入している。対象限定スクリーニングは、入院時に抗菌薬耐性病原体の保菌が特に疑われない患者から病原体が拡散する可能性を除外する目的で利用できると考えられ、すでに入院している患者を対象としたスクリーニングプログラムとは対照的な戦略である。早期検出は、抗菌薬耐性病原体が病院に流入する点は同様であるものの、これにより保菌患者から病原体が拡散する期間は短縮すると考えられる。近年、MRSAの迅速分子検出法が開発された。MRSA保菌率に対するこれらの検査法の効果についてのデータは、ばらつきが大きい。既報の研究では、評価を実施した環境、スクリーニング対象として選択した患者集団、採用したその他の感染制御対策、および最も重要な点として研究デザインとベースライン時のMRSA保菌率が異なっている。これらの研究に基づいて最終的な推奨を行うことはできない。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
薬剤耐性菌の伝播減少を目指して積極的監視培養を行い、保菌者を把握して隔離するという手法をとることがある。本レビューはその有効性に関する疑問を示したものであり、様々な論文に言及して要約のような結論に達している。一読の価値はあるが、要約だけでも構わないかもしれない。

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