3次病院における末梢静脈カテーテルケアの遵守を改善するためのポスター掲示を利用した教育プログラムの失敗事例:臨床的監査★★
Failure of a poster-based educational programme to improve compliance with peripheral venous catheter care in a tertiary hospital: A clinical audit
L. Morse*, M. McDonald
*Royal Darwin Hospital, Australia
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 221-226
この調査の目的は、3次ケア病院の医療現場における末梢静脈カテーテル挿入日時の記載実施率を明らかにすること、および簡易なポスターを利用した教育プログラムにより記載実施率が改善するか否かを判定することである。オーストラリアのロイヤル・ダーウィン病院の成人入院患者1,109例を対象として、2つの調査期間に時点実施率調査を行った。末梢静脈カテーテルの留置の有無を記録するとともに、カテーテル挿入日時が挿入部位、ベッドサイドのカルテ、または臨床ノート(clinical note)に記載されているかどうかを記録した。患者の人口統計学的データおよびカテーテル関連菌血症の同定可能なリスク因子を収集した。同一の診療部門で簡易ポスターを利用した教育プログラムを施行した後、上述のプロセスを再度実施した。いずれの記載法(挿入部位、ベッドサイドのカルテ、または臨床ノート)も記載率は低く、介入前群13.4%、介入後群16.1%であった。介入前後でも統計学的な有意差は認められなかった(P = 0.27)。ポスターキャンペーンとは無関係に、カテーテル関連菌血症のリスク因子を有する患者では、リスク因子がない患者と比較して挿入日の記載率が高かった(P = 0.03)。カテーテル関連菌血症により患者、病院、および地域社会が負担すると可能性がある費用を考慮すると、感染制御に関する病院内の勧告の遵守率が極めて不良であったのは意外である。ポスターを利用した教育プログラム単独では、この状況を改善する効果はほとんどなかった。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
末梢静脈カテーテル管理のような日常的な業務におけるプロトコールの遵守を図るというのはやはり難しい。ポスターぐらいじゃ何ともならないのか?
同カテゴリの記事
Comparison of two selective media for the recovery of Clostridium difficile from environmental surfaces
Post-discharge follow-up of hospital-associated infections in paediatric patients with conventional questionnaires and electronic surveillance
Does simultaneous bilateral total joint arthroplasty increase deep infection risk compared to staged surgeries? A meta-analysis
A novel cohorting and isolation strategy for suspected COVID-19 cases during a pandemic
B. Patterson*, M. Marks, G. Martinez-Garcia, G. Bidwell, A. Luintel, D. Ludwig, T. Parks, P. Gothard, R. Thomas, S. Logan, K. Shaw, N. Stone, M. Brown
*University College London, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 632-637
Incidence of Clostridium difficile infection in patients receiving high-risk antibiotics with or without a proton pump inhibitor
掲載年月を参考にサマリーを読む
-
2026年
- ・ 1月(29)
