リビアのトリポリ市の医療廃棄物処理者におけるB型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス

2009.07.31

Hepatitis B virus and hepatitis C virus in medical waste handlers in Tripoli, Libya


E. Franka*, A.H. El-Zoka, A.H. Hussein, M.M. Elbakosh, A.K. Arafa, K.S. Ghenghesh
*Al-Fateh University for Medical Sciences, Libya
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 258-261
医療廃棄物処理者は重篤なウイルス感染症への曝露リスクがある。リビアの医療廃棄物処理者のB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の保有率に関するデータはない。1年間(2004年1月~12月)に、トリポリで地元の受託業者に雇用されている医療廃棄物処理者300名(女性59名)の血液サンプル、および医療廃棄物への直接的・間接的接触がない非医療廃棄物処理者300名の血液サンプルを対象に、ELISAを用いてHBV、HCV、HIVの検査を行った。HBVは医療廃棄物処理者7件(2.3%)、非医療廃棄物処理者1件(0.3%)から、HCVはそれぞれ8件(2.7%)、0件(0.0%)から検出された。医療廃棄物処理者と非医療廃棄物処理者との比較で、HBV検出率(オッズ比7.14、P < 0.04)、およびHCV検出率(オッズ比算出不能、P < 0.005)に有意差が認められた。両群ともHIVは検出されなかった。調査した医療廃棄物処理者のうち、HBVワクチン接種を受けていたのは21%、医療廃棄物処理の訓練を受けていたのは7%であった。さらに、医療廃棄物処理時にオーバーオールを着用しているのは99.7%、厚手の使い捨て手袋57.7%、ブーツ55%、マスク17.7%であった。結論として、HBV、HCVの保有率は、医療廃棄物処理者のほうが非医療廃棄物処理者より有意に高かった。保健当局による医療廃棄物の適切な管理に加えて、医療廃棄物処理者に対する訓練、ワクチン接種、および曝露後防御により、リビアの医療廃棄物処理者における感染性病原体獲得リスクが有意に低下すると考えられる。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
病院サービス業の委託職員は人の入れ替わりも激しく、コスト面からも管理面からも職業感染予防策の対応が困難である場合が多く、わが国でも深刻な問題である。医療全体としてこの課題に取り組んでいく必要がある。

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*Pfizer Inc., USA

Journal of Hospital Infection (2021) 108, 146-157

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