プレホスピタル救急サービスチーム(Services Mobiles d’Urgence et de Reanimation;SMUR)が挿入した末梢静脈カテーテルの保菌状態の評価

2009.06.30

Evaluation of colonisation of peripheral venous catheters inserted by prehospital emergency service teams (SMUR) in France


E. Ezingeard*, M. Coudrot, S. Guyomarc’h, G. Aubert, J.L. Blanc, J.C. Bertrand, B. Tardy, F. Zeni
*CHU St Etienne, France
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 169-175
フランスのプレホスピタル救急蘇生サービスチーム(Services Mobiles d’Urgence et de Reanimation;SMUR)が挿入した末梢静脈カテーテルの保菌状態に関するデータは、文献にはなっていない。SMURチームのみが挿入・管理した末梢静脈カテーテルの保菌状態を、前向きの記述研究により評価した。合計171本の末梢静脈カテーテルを調べた。微生物学的検査では7本のカテーテルが陽性であった(4.09%、閾値を102 cfu/mLとした場合)。患者特性および介入の特性に関する解析から、保菌患者には高齢患者が有意に多いこと(P=0.02)、静脈アクセスが不十分であること(P=0.006)、およびカテーテル径が小さいこと(P=0.009)が示された。その他の評価基準、すなわち性別、病因、介入部位、静脈穿刺数・部位、血圧、およびカテーテル留置期間については、有意差は認められなかった。本試験で認められた保菌状態の絶対値は、既報の値と同等のようであったが、カテーテル留置期間が既報(日単位)と今回のデータ(分単位)とで大きく異なるため比較はできない。今回の研究から、患者の不快感と時間的・金銭的コストに加え、このようなルーチンのカテーテル交換に関する現行の推奨を再評価すべきことが示唆される。保菌状態に関して、リスク因子を考慮した個別のカテーテル交換法をルーチンの交換法と比較する無作為化試験の実施が望まれる。
サマリー 原文(英語)はこちら

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