地域病院におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌保菌者の無作為サーベイランスおよび流行性の保菌者の減少を目的とした介入の効果

2009.04.30

Random meticillin-resistant Staphylococcus aureus carrier surveillance at a district hospital and the impact of interventions to reduce endemic carriage


J.A. Karas*, D.A. Enoch, H.J. Eagle, M.M. Emery
*Hinchingbrooke Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2009) 71, 327-332
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)保菌は、その後の感染症のリスク因子とされている。MRSA保菌率は、1990年代に英国のほとんどの医療機関で流行レベル(endemic proportions)に達していた。MRSA菌血症は、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌と比較して死亡率および有病率の上昇と関連し、その減少は国の目標となっている。保菌者およびMRSA菌血症患者の減少を図るために、保菌状態の定期的な無作為サーベイランスおよびMRSA保菌者の計画的な除菌に関する5年間の知見を述べる。保菌率の低下のための介入として、確実な除菌と追跡、保菌率の最も高い病棟を対象としたスクリーニングと教育の強化、65歳未満の全入院患者のスクリーニングなどを実施した。サーベイランスの最初の24か月と直近の24か月を比較すると、患者の保菌率は14.6%から7.0%に(P<0.001)、菌血症の総患者数は42例から22例に(P=0.012)、いずれも統計学的に有意に低下した。MRSA保菌者の定期的なサーベイランスは、入院患者のMRSA保菌に対する管理方法の効果をモニタリングするうえで有用である。保菌者の減少を目的とする介入により、MRSA保菌者数を減少させ、その結果、菌血症の患者数を減少させることが可能である。
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監訳者コメント:
多剤耐性菌対策には、サーベイランスを実施し耐性菌事情を理解し改善策を練り、その効果を検証することが重要である。この際に持ち込み率が問題となる。持ち込まれても広がらない入院管理が重要である。

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