遅発性病院感染肺炎の原因菌別の転帰

2009.04.30

Outcome of late-onset hospital-acquired pneumonia related to causative organism


J.R. McClure*, R.P.D. Cooke, P. Lal, D. Pickles, S. Majjid, C.A. Grant, T.M. Jones, G.A. Dempsey
*University Hospital Aintree, UK
Journal of Hospital Infection (2009) 71, 348-352
シュードモナス(Pseudomonas)属菌による肺炎は、集中治療を受ける患者の死亡率の上昇と関連する。しかし、これまでの評価では、病院感染肺炎と関連するその他の病原体との転帰の比較は行われていない。1998年から2007年に、Pseudomonas属菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、または非シュードモナスグラム陰性(NPGN)菌の純粋な呼吸器系培養による遅発性病院感染肺炎(診断時の入院期間が72時間以上)の集中治療患者全員を対象として、後向き調査を実施した。カルテレビューにより、疾患重症度、臨床的肺感染症スコア法(clinical pulmonary infection scoring;CPIS)、集中治療室および病院における生存率、および集中治療室在室期間の評価を行った。252件中204件のカルテレビューを行った。肺炎の治療を実施した症例は186例であった。患者10例には同一の入院期間中にシュードモナス肺炎とNPGN菌肺炎の両方が認められ、患者2例には両方の菌による市中獲得感染がみられた。これらの12例は以降の解析から除外した。残りの174例中、80例はPseudomonas属菌、40例はMRSA、54例はNPGN菌に感染していた。3群の患者のマッチングは良好であり、年齢、性別、CPISスコア、菌血症発生率、および診断時のAcute Physiology and Chronic Health Evaluation II(APACHE II)スコアは同等であった。病院と集中治療室における生存率、および集中治療室在室期間に関する転帰は、各群間で差がなかった。今回の連続症例では、病院感染肺炎に関連するその他の病院感染菌と比較した場合、シュードモナス肺炎の生存率は劣っていないと考えられ、群間の疾患重症度は各群で同等であった。
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監訳者コメント:
ICUにおける病院感染肺炎の死亡率は40~50%と高率であり、これは起因菌が何であるかにあまり依らないことが本研究から明らかになった。ICUにおける病院感染肺炎はしばしば致命的であり、起因病原体が何であれ防止すべきものであることに変わりはなく、本論文で示された同等の生存率が臨床的に何を意味するかは不明である。

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