一般集中治療室の全死亡率に対する院内感染メチシリン耐性黄色ブドウ球菌菌血症の寄与★

2008.11.30

Contribution of acquired meticillin-resistant Staphylococcus aureus bacteraemia to overall mortality in a general intensive care unit


D.S. Thompson*, R. Workman, M. Strutt
*Medway Maritime Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2008) 70, 223-227
11年間に患者77例が集中治療室(ICU)への入室5日目以降にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)菌血症を発症した。このうち10例にはMRSA陽性歴がなく、13例は入室時のスクリーニング結果が陽性であり、54例は血液培養が陽性となる以前にICUで実施した初回検査でMRSA陰性であった。この54例は、入室5日目以降にMRSAに感染した267例の20.2%[95%信頼区間(CI)15.6~25.0%]を占めた。MRSA菌血症患者77例の死亡率は57.1%(95%CI 46.0~68.2%)であった。この77例中19例には、血液中に他の病原体の増殖が認められた。MRSA菌血症のみの患者それぞれに対して、診断結果およびAcute Physiological and Chronic Health Evaluation(APACHE)IIの初回スコアに基づいて、MRSA菌血症がない対照患者5例ずつをマッチさせた。死亡率は菌血症患者[53.6%(95%CI 40.5~66.7%)]のほうが対照患者[31.8%(95%CI 26.3~37.3%)]より高く[相対リスク(RR)1.69(95%CI 1.25~2.26)、P<0.01]、死亡率の差の絶対値は21.8%(95%CI 8.0~40.1%)であった。この推定値を77例全例に適用すると、ICUで感染したMRSA菌血症によって17例(95%CI 6~31例)が死亡し、全入室患者の院内死亡率30.1%に対する寄与は0.3%(95%CI 0.1~0.6%)であることが示唆される。MRSA菌血症発生率はICU在室期間の延長に従って上昇し、25日以上ICUに在室した198例の死亡率37.9%に対するMRSA菌血症の寄与は3.1%(95%CI 1.1~5.7%)と推定された。これらのデータから、長期在室している患者の初期のMRSA保菌/感染を予防することの重要性が強調される。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
ICU長期在室がMRSA菌血症による死亡率を上昇させることが示された。ICUにおけるハイ・リスク群として認識する必要があるであろう。

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