手術時手指消毒法の遵守改善★★

2008.10.15

Improving adherence to surgical hand preparation


A. Kramer*, N. Hubner, H. Below, C.-D. Heidecke, O. Assadian
*Ernst Moritz Arndt University Greifswald, Germany
Journal of Hospital Infection (2008) (S1), 35-43
現在、手術時手指消毒の詳細な実践法に関する一般的な合意はない。これを補うため、広く受け入れられる欧州の勧告策定に向けた第一段階として、手術時手指消毒に関する仏独の勧告が2002年に発表された。必須要件、洗浄・消毒段階、および実用的な推進方法などを含む、エビデンスに基づく標準的処置法の勧告を行うことを目的として、手術時手指消毒手順のプロトコールを現行の文献評価に基づいて論じている。
Hygienic hand disinfectionと比較して、手術時手指消毒は例外なく行われる儀式的なものと考えられているため、コンプライアンスは問題とはならない。それにもかかわらず、以下の要因は受け入れと効果を左右する。すなわち、皮膚の耐性、実践の簡便性、処置に要する時間と推奨時間、不正な処置方法による効果の低下の可能性、使用製剤による全身性のリスクの可能性と過敏症の恐れ、宗教的な制約、環境面の問題、費用、および安全性である。
本論文では上記を踏まえて、当大学病院ですべての手術に新規の手指消毒手順を導入した経験を報告する。
以下の記載について評価した。

  • アルコール製手指消毒薬使用直後の効果は、事前の10分間以下の手洗いで減少する。したがって、目に見える汚れなど、手洗いが必要となる理由がない限り、消毒の前に手をルーチンに洗うべきではない。
  • 使用時間を短縮しても(1.5分)、効果は3分間の場合と同等である。
  • 手袋を装着する前に手を空気乾燥すべきであり、そうしない場合は手袋の穿孔率が上昇する。
  • 洗浄段階後と消毒段階前の1分間、手を乾燥すると、アルコール製消毒薬の効果が著しく上昇する。

変更方法の策定に先立ち、上記の問題を明らかにするために手術チームを会議に召集した。その結果、手術部門の責任者は新しい方法を支持し、自分たちの実践方法を変更することを決定した。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
アルコール系手指衛生剤を使用する前に流水手洗いを行うと、手に残った水分でアルコールの消毒効果が減少することが論文で公開されている。したがって、汚れを落とすための適度の予備洗浄を行ったら、よく乾かすことが重要である。
監訳者注:
Hygienic hand disinfection:EN 1500で推奨されている擦り込み式手指消毒薬を用いた手指消毒法

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Journal of Hospital Infection (2021) 117, 157-164


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