英国住民の病院曝露と菌血症との関連性について
Hospital exposure in a UK population, and its association with bacteraemia
D.H. Wyllie*, A.S. Walker, T.E.A. Peto, D.W. Crook
*University of Oxford, UK
Journal of Hospital Infection (2007) 67, 301-307
医療関連感染症の重要性にもかかわらず、英国住民を対象とした重症感染症と病院曝露の関連を定量化した研究はほとんどない。我々の目的は、病院曝露の有無別の感染率とともに、最近入院した住民の割合を推計することである。2000年4月1日から2005年3月31日の間に、2カ所の病院で医療を受けた住民550,000名を対象に、重度感染症の指標として菌血症の調査を行った。病院曝露者(調査の前年に入院した者と定義)は、住民の8.3%であった。入院全体の55%、および内科、小児科、または外科部門への緊急入院の42%が病院曝露住民であった。年齢を補正すると、病院曝露群のほうが、入院時菌血症率がはるかに高かった。病院曝露のない患者に対して年齢を標準化した発生率比は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)43[95%信頼区間(CI)22~85]、MRSA以外の黄色ブドウ球菌20(15~27)、肺炎球菌7.3(5.2~10)、大腸菌14(11~18)であった。病院曝露があった入院患者のMRSA菌血症率は高く、特に救急部門の男性に顕著であり、入院時のMRSA菌血症率(31/10万人/年)と肺炎球菌菌血症率(33/10万人/年)は同等であった。今回の定量的分析により、入院歴が入院時の菌血症の主要な危険因子であることが確認されたが、院内での病原体感染、共存疾患、またはその他の因子により、このことを説明できるかどうかは不明である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
入院歴の有無が、そのままMRSA保菌の可能性の高低を反映しているものと考えると理解しやすい。逆の見方をすれば、それだけMRSAを院内で獲得する可能性が高いともいえる。さらなる統計解析が必要である。
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