スペインの医療施設の水冷却システムおよび飲料水システムからのレジオネラ属菌/血清群の分離
Isolation of Legionella species/serogroups from water cooling systems compared with potable water systems in Spanish healthcare facilities
J.-M. Rivera*, L. Aguilar, J.J. Granizo, A. Vos-Arenilla, M.-J. Gimenez, J.-M. Aguiar, J. Prieto
*Universidad Complutense, Spain
Journal of Hospital Infection (2007) 67, 360-366
2005年から2006年にスペインの入院医療施設44カ所で、病院給水システムのレジオネラ属菌のサーベイランスを実施した。冷却システム(冷却塔)から470および飲料水システムから1,871、合計2,341のサンプルを採取した。飲料水システムのサンプルの内訳は、冷水タンクから211、給湯タンクから260で中央貯水槽からの合計は471、またシャワーから136、フィルターがない蛇口から1,172、フィルター付きの蛇口から92で給水端末からの合計は1,400であった。温度と塩素濃度を測定し、レジオネラ属菌の有無を検査した。全サンプル中373(15.9%)にレジオネラ属菌が認められた。冷却塔(23.8%)からの分離率が冷水タンクおよび給湯タンク(約4.7%)と比較して有意に高かったが、これは血清群1陽性サンプルが有意に多いことによる(19.4%対0.9~3.5%)。飲料水システムでは、中央貯水槽とシャワーの間に差は認められなかったが、中央貯水槽とフィルターがない蛇口との間では、血清群1以外のレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)の相違により分離率に有意差が認められた(4.7%対19.6%)。フィルターにより血清群1以外の分離率は有意に低下した(11%対0%)。季節差がいくつか認められ、冷却システムのL. pneumophila血清群1および飲料水システムのL. pneumophila血清群2~14は、夏季の分離率が高かった。回帰モデルでは、冷却システムでは高温が定着と関連していたのに対し、飲料水では低い塩素濃度が定着と関連していた。
サマリー 原文(英語)はこちら
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