新規の過酸化水素ガス滅菌法を用いたプリオンの不活化
Prion inactivation using a new gaseous hydrogen peroxide sterilisation process
G. Fichet*, K. Antloga, E. Comoy, J.P. Deslys, G. McDonnell
*STERIS/CEA/DSV/iMETI/SEPIA, France
Journal of Hospital Infection (2007) 67, 278-286
プリオンのために汚染除去、特に手術器具を再使用する前の汚染除去が困難となっている。プリオンは標準的な汚染除去法に比較的強い耐性があり、プリオン病が判明している症例や疑われる症例に使用された器材は、高度な化学的または熱処理が必要である。本研究では、プリオンに対する代替的な低温滅菌法として、新規の過酸化水素ガス滅菌法の有効性について検討した。過酸化水素ガスには抗菌効果があることが知られているが、さらにin vitroおよびin vivoアッセイのいずれでもプリオンを不活化することが示されている。気体のものとは対照的に、液体の過酸化水素に効果はない。過酸化水素ガスの作用機序は、蛋白質のアンフォールディング、一部の蛋白質の断片化、および蛋白質分解への高度な感受性であることが示唆される。過酸化水素水は、ある程度の蛋白質凝集作用、およびプロテアーゼによる分解に対する完全な耐性を示した。標準的な低温滅菌法での過酸化水素ガスの使用は、プリオンを不活化するための有用な手段となる可能性がある。
サマリー 原文(英語)はこちら
同カテゴリの記事
Investigation of healthcare-acquired infections associated with Pseudomonas aeruginosa biofilms in taps in neonatal units in Northern Ireland
Assessment of horizontal laminar air flow instrument table for additional ultraclean space during surgery
Healthcare workers’ attitudes to how hand hygiene performance is currently monitored and assessed
K-R. Cawthorne*, R.P.D. Cooke
*Swansea University, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 705-709
How and why to monitor Pseudomonas aeruginosa infections in the long term at a cystic fibrosis centre