微粒子および微生物による手術室内空気汚染の危険因子
Risk factors for particulate and microbial contamination of air in operating theatres
S. Scaltriti*, S. Cencetti, S. Rovesti, I. Marchesi, A. Bargellini, P. Borella
*Modena and Reggio Emilia University, Italy
Journal of Hospital Infection (2007) 66, 320-326
本研究は、最近建設された連続監視システムを備えた手術室において、集塵法を標準化するためにデザインされた。本研究の目的は、微生物汚染と塵埃汚染の関係を明らかにすること、さらにそれらのパラメータを外科処置の主要な指標と比較して、空気の清浄度に影響を及ぼす危険因子をより明確にすることである。3つの従来型換気をしている手術室で実施された23件の外科手術中に、空気の清浄度を調査した。空中浮遊微生物数は、受動的および能動的サンプリング法の両方で測定した。大きさが0.5 μm~5 μm未満、および5 μm以上の空中浮遊塵埃を、光散乱式微粒子分析装置で測定した。塵埃全体の大部分は(98%)微細粒子物質であったが、これはおそらく定着するまでの浮遊時間が長いためと考えられる。これらの微粒子レベルは手術時間と正の相関を示したが、術式とは相関がないことから、微細粒子はおそらく手術の困難さの優れたトレーサー※であることを示唆している。一方、術式は5 μm以上の微粒子濃度の主要な予測因子であり、一般的な従来の手術はスコープ手術と比較するとリスクが高かった。職員や外来者の移動の指標と考えられるドアの開閉の頻度は、微細粒子およびより大きな塵埃粒子が閾値を超えることの主要な負の予測因子であったが、細菌数増加の正の予測因子でもあった。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者注:
※トレーサー(tracer):トレーサーとは、伝播の状態や範囲を追跡調査するために投与されるマーカーのことで、わかりやすい例でいえば、診断のためにアイソトープでラベルした化学物質を投与して間接的に体内動態をみることがある。本稿ではこれを転じて、複雑な手術ほど手術時間が長くなる傾向があるので、これと正の相関を示す浮遊微細粒子の測定をすることで、間接的に手術の困難さを表すことができるといっている。
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