過酸化水素蒸気による汚染除去後の集中治療室環境中の急速なMRSA再汚染★★

2007.08.31

Rapid recontamination with MRSA of the environment of an intensive care unit after decontamination with hydrogen peroxide vapour


K.J. Hardy*, S. Gossain, N. Henderson, C. Drugan, B.A. Oppenheim, F. Gao, P.M. Hawkey
*Heartlands Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2007) 66, 360-368
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は病院環境で存続し、従来の清掃方法では必ずしも汚染を除去できない。集中治療室において、環境中のMRSA汚染レベルを明らかにすること、過酸化水素蒸気による汚染除去の有効性を評価すること、および環境中の再汚染率を算出することを目的として、前向き研究を実施した。過酸化水素蒸気使用前の3カ月間では、環境中の検査箇所の11.2%からMRSAが分離され、疫学的型別により、環境中に存在している菌型は患者が保菌しているものと類似することが明らかになった。患者退室後の従来の方法による最終清掃後、5カ所(17.2%)からMRSAが分離された。過酸化水素蒸気による汚染除去後、患者の再入室前には、環境中からMRSAは分離されなかった。MRSA保菌者2例を含む患者の再入室から24時間後に、本菌は5カ所から分離された。これらの菌株は患者が保菌している菌株と識別できなかったが、すべてが保菌患者に隣接した箇所から分離されたわけではなかった。過酸化水素蒸気の使用後8週間、週に1回の割合で環境中のサンプルを採取したところ、MRSAは検査箇所の16.3%から分離された。過酸化水素蒸気は、環境中から細菌を除去するためには有効であるが、その急速な再汚染からは、開放設計の集中治療室で環境汚染を低いレベルに維持するためには有効な方法ではないことが示唆される。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
MRSA保菌者による環境汚染をデータで示した興味深い研究である。ただ一度の環境消毒を行っても、MRSA保菌者がいるとすぐにまた環境汚染が生じるという結果から、日常の定期的な清掃と保菌者も含めたMRSA患者に対する接触予防策が重要であることがいえる。

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