軟性内視鏡用の洗浄・消毒器4種類の洗浄・消毒効果の比較★
Comparison of the cleaning and disinfecting efficacy of four washer-disinfectors for flexible endoscopes
U. Kircheis*, H. Martiny
*Universitatsmedizin Berlin, Germany
Journal of Hospital Infection (2007) 66, 255-261
4種類の洗浄・消毒器(AdaptaScope、ETD-2Plus、Innova-E3、LS-2000)を比較した。これらの洗浄・消毒器の洗浄効果および処理効果を、外観検査およびドイツの検査方式(EN ISO/TS 15883-5)による微生物の減少係数(RF)で判定した。検査用の部品を血液およびEnterococcus faeciumで汚染させた。洗浄剤3種類(Cidezyme GI、ETD Cleaner、Liquid 52)と消毒剤3種類(Cidex OPA-C、ETD Disinfectant、Liquid 44)を使用した。水のみによる洗浄効果の検査も実施した。Cidezyme GIの有効性は、AdaptaScopeとの使用でRF 7.0、LS-2000との使用でRF 8.4であった。Liquid 52の有効性は、LS-2000との使用でRF 7.0であった。水を使用した場合の洗浄効果はAdaptaScope(RF 2.1)とLS-2000(RF 1.2)との間に有意差が認められた。全処理後の微生物学的有効性は、Cidezyme GI/Cidex OPA-CによるAdaptaScope(RF 8.4)とLiquid 52/Liquid 44によるLS-2000(RF 9.2)との間にも有意差が認められた。Innova-E3では、全処理の終了時点でも検査用の部品は汚染されたままであり、RFは算出できなかった。ETD-2Plusでは、全処理終了後のRFは低値であった(3.7~7.5から1.8)。全処理による効果に差は認められたものの、AdaptaScopeとLS-2000では一貫して細菌の減少が認められた。内視鏡チャンネルを人工的に閉塞させた内視鏡の処理では、AdaptaScopeとLS-2000ではエラーメッセージが表れて処理が停止したのに対して、ETD-2PlusとInnova-E3ではエラーメッセージは表示されなかった。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
内視鏡の洗浄・消毒の効果は消毒液と洗浄・消毒器機の組み合わせで大きく影響を受ける。こうした消費者テストのような効果を中立な立場で評価し、データを公開することにより適切な選択が可能になる。
同カテゴリの記事
Successful decolonization of meticillin-resistant Staphylococcus aureus in paediatric patients with cystic fibrosis (CF) using a three-step protocol
Funding healthcare-associated infection research: a systematic analysis of UK research investments, 1997-2010
Where to do water testing for Pseudomonas aeruginosa in a healthcare setting
What can we learn from each other in infection control? Experience in Europe compared with the USA