フランスにおける6年間の手術部位感染制御プログラムの影響:INCISOサーベイランスの結果★

2007.07.31

Impact of a six-year control programme on surgical site infections in France: results of the INCISO surveillance


C. Rioux*, B. Grandbastien, P. Astagneau
*Regional Co-ordinating Centre for Nosocomial Infection Control, France
Journal of Hospital Infection (2007) 66, 217-223
外科手術部位感染(SSI)は院内感染制御対策の重要なターゲットである。北フランスの病院からの自発的な参加による外科病棟のネットワークであるINCISOのデータに基づき、6年間のサーベイランスシステムの影響を評価した。毎年、手術患者を連続的に登録して、入院、外来を問わず手術から30日後までの調査を行った。それぞれの患者について、標準的な基準によるSSIの診断とともに、危険因子としての手術創分類、米国麻酔学会スコア、手術時間、待機手術か緊急手術の区別、鏡視下手術、および術式などを標準化した書式に記入した。毎年の調査終了時には、参加者が全米病院感染サーベイランス(NNIS)システムのリスクインデックスおよび標準化発生比で補正した他の手術と比較できるように、ダッシュボードを掲示した。6年にわたり、548の外科病棟の手術患者150,440例から3,661件のSSIが確認された(粗発生率2.4%)。粗SSI発生率は3.8%から1.7%に減少(傾向検定P<0.001、相対減少率-55%)して、NNIS-0に補正したSSI発生率は2.0%から1%に減少した(傾向検定P<0.0001、相対減少率-50%)。ネットワークを通じてベンチマークを得ることを目指す積極的サーベイランスシステムは、SSI発生率を減少させるための有効な戦略である。最初の3年間を上回る低いSSIレベルを維持するためには、感染制御の取り組みを継続する必要がある。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
毎年の調査終了時にデータを掲示することから、“顔の見える”ネットワークでのベンチマーク作成となり、他病棟との比較によってSSI発生率を減少させた試みである。地域のネットワークによる取り組みが試みられている一方、やはりサーベイランスはフィードバックによって有効性が担保されるというオーソドックスな結論が導かれている。
監訳者注:
標準化発生比(standardized incidence ratio;SIR):リスク分類に応じたベンチマークで、SSI発生率からSSI発生件数を予測して、実際のSSI発生数と比較する指標。

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