非アウトブレイク時の基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌の院内伝播減少のための感染制御対策の影響と費用★

2007.04.30

Impact and cost of infection control measures to reduce nosocomial transmission of extended-spectrum β-lactamase-producing organisms in a non-outbreak setting


L.O. Conterno*, J. Shymanski, K. Ramotar, B. Toye, R. Zvonar, V. Roth
*University of Ottawa, Canada
Journal of Hospital Infection (2007) 65, 354-360
著者らは、非アウトブレイク時の基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌(ESBL)の院内伝播減少のための感染制御介入の影響を評価した。本研究は、カナダの1,200床の第三次病院で実施した。ESBL発生率は、回収された臨床分離株に基づいて1999年から2005年に前向きに評価した。この期間中に、発生率は入院1,000件あたり0.28件から0.67件へ有意に増加したが(P<0.001)、これは地域のESBL発生率の人口100,000名あたり1.32件から9.28件への増加(P<0.001)を反映していた。このような増加にもかかわらず、院内ESBL率の増加はわずかであり、このことは感染制御対策が院内伝播に影響を及ぼしたことを示唆している。感染制御対策は、全ESBL患者の隔離および伝播の高リスク患者に対する接触予防策の実施であった。これらの対策の費用は、138,046.00カナダドル/年および3,191.83カナダドル/入院患者であった。ESBL発生率を大幅に減少させるためには、積極的監視培養、すべての保菌または感染患者に対する接触予防策、抗菌薬管理などの制御対策を組み合わせることが必要である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
長い時間経過における耐性菌感染発生率をみた興味深いスタディである。様々な変数を多角的に解析し、感染制御対策が有効であることを示している。

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