ブラジルのリオデジャネイロにおける医療従事者の血液由来病原体への職業曝露★
Occupational exposures to bloodborne pathogens among healthcare workers in Rio de Janeiro, Brazil
C. Rapparini*, V. Saraceni, L.M. Lauria, P.F. Barroso, V. Vellozo, M. Cruz, S. Aquino, B. Durovni
*Universidade Federal do Rio de Janeiro, Brazil
Journal of Hospital Infection (2007) 65, 131-137
医療従事者は高い頻度で、血液および体液への曝露を介する血液媒介性病原体への職業感染のリスクに直面する。本研究では、ブラジルのリオデジャネイロにおける医療従事者の血液媒介性病原体への職業曝露サーベイランスシステムの8年間の結果について報告する。537の診療部門が報告した合計15,035件の曝露を調査した。報告された曝露のうちの約70%が、以下の6種類の事例によるものであった。針のリキャップ時(14%)、外科手術時または手術用器具の取り扱い時(14%)、ごみ処理時(13%)、鋭利物容器への廃棄時(13%)、経皮的静脈穿刺時(10%)、および採血時(5%)。針のリキャップ、ごみ処理、不適切な場所に放置された鋭利物に関連して発生する事故など、容易に防止できる曝露が、報告された曝露の30%を占めていた。ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)に対する曝露後予防内服を、曝露した医療従事者の46%で開始していた。ブラジルのガイドラインでは、重大ではない、またはHIV感染リスクが極めて低い曝露に対する曝露後予防内服は、通常は推奨されないとしているが、曝露を受けた医療従事者はこのような事例の大部分に対して曝露後予防内服が処方されていた。医療従事者の血液媒介性病原体への職業曝露の予防および医療従事者の安全は、公衆衛生上の問題として考慮すべきである。抗レトロウイルス薬や迅速検査などの感染予防対策が実施可能であるが、本研究は、容易に予防可能な曝露が依然として多いことを示している。より効果的な予防戦略の実施が、ブラジルでは緊急に必要とされる。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
血液媒介性病原体への職業曝露のブラジルにおける実態を紹介した論文。先進諸国と異なる点は、曝露後予防内服がより頻繁に処方されていることであろう。
同カテゴリの記事
Chlorine dioxide is a more potent antiviral agent against SARS-CoV-2 than sodium hypochlorite N. Hatanaka*, B. Xu, M. Yasugi, H. Morino, H. Tagishi, T. Miura, T. Shibata, S. Yamasaki *Osaka Prefecture University, Japan Journal of Hospital Infection (2021) 118, 20-26
Predictive models of surgical site infections after coronary surgery: insights from a validation study on 7,090 consecutive patients
Iodine-lithium-alpha-dextrin (ILαD) against Staphylococcus aureus skin infections: a comparative study of in-vitro bactericidal activity and cytotoxicity between ILαD and povidone-iodine
Successful control of an outbreak of colonization by Klebsiella pneumoniae carbapenemase-producing K. pneumoniae sequence type 258 in a neonatal intensive care unit, Italy
Evaluation of patient-held carbapenemase-producing Enterobacteriaceae (CPE) alert card
