Klebsiella pneumoniaeによる菌血症と比較したAcinetobacter baumanniiによる菌血症の重要性:危険因子と転帰

2006.11.30

The significance of Acinetobacter baumannii bacteraemia compared with Klebsiella pneumoniae bacteraemia: risk factors and outcomes


E. Robenshtok*, M. Paul, L. Leibovici, A. Fraser, S. Pitlik, I. Ostfeld, Z. Samra, S. Perez, B. Lev, M. Weinberger
*Rabin Medical Centre, Israel
Journal of Hospital Infection (2006) 64, 282-287
2000年から2003年にイスラエルの単一の医療施設で、Acinetobacter baumanniiによる院内感染菌血症患者と肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)による院内感染菌血症患者について危険因子(リスクファクター)と転帰とを比較した。患者の診療録のレビューにより、データを後向きに収集した。A. baumanniiによる菌血症患者112例およびK. pneumoniaeによる菌血症患者90例を特定した。A. baumanniiによる菌血症は、不良な一般状態(performance status)、人工呼吸器の使用、デバイス(医療器具)の装着、カルバペネム系薬による治療歴、感染源としての肺炎、および不適切な経験的抗生物質治療と有意に関連していた。30日全原因死亡率は、A. baumanniiによる菌血症のほうがK. pneumoniaeによる菌血症よりも高かった(61.6%対38.9%、P=0.001)。単変量解析で死亡率と有意な関連があった因子(P<0.1)を、死亡率の多変量ロジスティック回帰モデルに組み入れた。A. baumanniiによる菌血症は、他のすべての危険因子で補正しても高い死亡率と有意に関連していた(オッズ比3.61、95%信頼区間1.55~8.39)。この結果は、重症度の低い症例、例えば人工呼吸器を使用していない患者や敗血症ショックのない患者のサブグループで再度分析を行っても変化しなかった。今回の結果は、A. baumanniiによる院内感染菌血症は高い死亡率と関連しているという見解を支持するものである。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
欧米ではAcinetobacter baumanniiによる医療関連感染症が多く問題となっている。わが国における実態把握の報告は少なく、抗菌薬の消費動向に違いや医療の質の違いから、異なる可能性はあるが、今後わが国におけるA. baumannii感染症の実態を検討する必要がある。

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